第9話:白熱のインパクト
【前回までのあらすじ】
阿蘇松井家・九龍の放つ『熱殺蜂球』を、装甲の再錬成で打ち破った武 。しかし九龍は、機馬『重弓騎兵』の脚力を活かした『隕石の剛速球』で武を粉砕せんと迫る 。
白熱する黄金のバットが、マグマの塊を迎え撃つ。
衝撃波が蔵野家の庭を震わせ、残っていた地熱蜂たちが一瞬で吹き飛んだ 。黄金のバットと赤黒い球がぶつかった瞬間、凄まじい「金属耳鳴り」が武の意識を激しく削る 。
「……押し、負けるかっ!」
武のサイボーグアームからは、限界を超えた青白い蒸気が噴き出していた 。まいのタブレットには『ポンプ圧力異常』の警告が真っ赤に躍る 。
「武おじちゃん、バットを微振動させて! 固有振動数でマグマのマブイを散らすのよ!」
オペレーターまいの的確な助言が、武の脳内に直接響く 。武は大学で学んだ運動力学を、改造された腕のサーボモーターへと無理やり叩き込んだ 。
黄金のバットが超高速で振動し、球を包むマグマの熱を「金」属性の冷徹な硬度が切り裂いていく 。
「俺は、ただの改造人間じゃない。蔵野家の、そして熊本工業大学の学生だ!」
乾いた音ではない。落雷のような爆音が響き、赤黒い弾丸が逆方向へと弾き返された。
「……馬鹿な! 俺の剛球ば、真っ向から……ッ!」
驚愕する九龍の真横を、黄金の光跡が通り抜ける。打球は蔵野家の塀を粉砕し、はるか阿蘇の夜空へと消えていった。
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