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第8話:隕石の剛速球

【前回までのあらすじ】

『熱殺蜂球』の猛火を逆手に取り、装甲を再錬成した武。白熱する黄金の輝きを放つその姿に、阿蘇松井家の九龍も戦慄する。だが、九龍は不敵に笑い、重弓騎兵の機動力を引き出し始めた。


「……面白か。そん輝き、俺の剛球で粉々に砕いてやっけん!」

九龍が吠える。彼が跨る**『重弓騎兵』**の四脚が、蔵野家の庭土を深く抉り、凄まじい脚力をバネへと変換した。

九龍の右腕にマブイが集中する。火と土が混ざり合った「マグマ」の属性が、白球を赤黒い熱塊へと変えていく。

「武おじちゃん、気をつけて! 相手の球威ランクが計測不能まで跳ね上がっとる! 掠っただけでも、腕がもってかれるよ!」

まいの警告が響く中、武は重く、鋭く、バットを構え直した。

変身もしない。派手な名乗りもない。ただ、改造された己の肉体と、そこから生み出される「金」の斬撃だけを信じる。

(……来る)

九龍が腕を振り抜いた。

放たれた一球は、もはやボールではない。阿蘇の噴火そのものが飛来するような、圧倒的な質量を伴う**『隕石の剛速球』**だ。

空気が熱波で歪み、衝撃波が庭の木々をなぎ倒す。

武の赤い瞳が、その中心にある一点を捉えた。

「……捕らえた」

黄金のバットが、白熱する風を切って振り抜かれる。

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