三位一体の錬成(ハイブリッド・チューン)
【前回までのあらすじ】
蔵野家のガレージに集結した、武、波多野、そして日向 。競艇の「振動」と科学部の「理論」が交わり、霧隠家の術を打破する一筋の光が見え始める。
「いいかい武さん、波多野くんの言う『水面の振動』を、僕の特製デバイスでデジタル化する。名付けて『マブイ・ソナー』だ!」
日向がタブレットを叩くと、武の黄金の腕の各所に、科学部が開発した「錬」属性の微小センサーが組み込まれていく 。
「……まいのオペレーションと、このソナーを直結させるんだな?」
「そう! まいさんの脳波を介して、霧の中の微細な空気の揺れを『音』として武さんの神経に流し込む。野球で言えば、キャッチャーのミットが鳴る音を、投げる前から聞くようなものさ」
まいは、波多野が持ってきた競艇用の高圧ポンプと、日向のデバイスを必死に繋ぎ合わせる。
「……すごい。競艇のエンジンの『高回転マブイ』を冷却に回せば、武おじちゃんのSSSランクの熱量を抑え込める……これなら、フルスイングを連続で叩き込めるよ!」
整備台の上で、武の機体が黄金の脈動を繰り返す。
それは、広島の伝統(浅野・長谷川)、科学部の知恵(日向)、そして水上の闘志(波多野)が一つになった、究極の「対・ゼロコア用決戦兵器」への進化だった。
「……感謝するぜ、お前ら。……波多野、日向。あんたらの試合も、次は俺が特等席で見届けてやる」
武が黄金のバットを構え直した瞬間、ガレージ全体が衝撃波で震えた。
もはや、霧はただの「背景」に過ぎない。
「……行くぞ、まい。霧隠の隠れん坊を終わらせてやる」




