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魂の共鳴

【前回までのあらすじ】

霧隠家の術を破るため、武とまいは「パイロットとオペレーターの完全同調」という過酷な修行を開始する 。だが、それは「異常振動症」のリスクを伴う、魂の境界線を削る作業だった 。

「……はぁ、はぁ……っ、まい、マブイ石の波形をもっと絞れ。……ノイズに、意識を……持っていかれるな」

武の全身から、凄まじい熱気が立ち昇る。

ガレージに置かれた黄金の腕は、操縦桿を握っていないにも関わらず、武の呼吸と連動して黄金の光を明滅させていた 。マブイグミのメカニズム——術者の深層心理がからくりに影響を与えるという特性が、極限まで引き出されている 。

「武おじちゃん、ダメ……! 脳波のシンクロ率が90%を超えた! これ以上は、武おじちゃんの意識がからくりに『溶けて』戻ってこれなくなる!」

まいがタブレットを抱え込み、必死に同期を解除しようとする。だが、その指が止まった。

武の周囲に、霧隠家の術とは異なる「純粋な黄金の霧」が発生し、ガレージ全体を包み込んでいた。

『……案ずるな、まい。お前が俺のバットになるんだ。俺は、お前の眼になる……』

武の声が、直接まいの脳内に響く。

タブレットの数値を介さず、武が見ている「黄金の視界」が、まいの意識へダイレクトに流れ込んできた。これこそが大宮橋右衛門の時代から続く、虫や自然と共生した「魂の対話」の極致——。

その時、ガレージの外でレオンが激しく吠えた。

「……誰か、来たの? この忙しい時に……」

まいは、黄金の光に包まれた武を案じながらも、ガレージのシャッターを開ける。

そこに立っていたのは、見慣れぬ「競艇の勝負服」を纏った少年だった。

「……すまん。ここで『マブイエンジンの調整』ができるって聞いてきたんだが……」

武とまいの修行は、図らずも他作品の運命と交差し始める。

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