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第28話:阿蘇のサヨナラホームラン

【前回までのあらすじ】

黒鉄の「陰」属性のマブイを逆手に取り、自らの金属性でSSSランクの超質量へと再錬成した武 。黄金の輝きと暗黒の重圧を併せ持ったバットが、阿蘇の火口で静かに、しかし激しく唸りを上げる。


『……馬鹿な、その質量は何だ! 機体の演算が追いつかん!』

黒鉄の声に、初めて「恐怖」のノイズが混ざった。死神の大鎌を防御姿勢に固めるが、武が踏み込んだ瞬間に岩盤が陥没し、凄まじい衝撃波が黒鉄の視界を真っ白に染めた。

「……これが、俺たちのマブイの重さだ!」

武が振り抜いた黄金のバットは、大鎌の刃に触れた瞬間、それをバターのように容易く断ち切った。衝撃は止まらない。SSSランクの打撃エネルギーは、黒鉄の胸部に直撃し、ゼロコアの汚染チップごと機体を粉砕した。

ドォォォォォォン!!

爆発的なマブイの光が、阿蘇の夜空を黄金の線となって貫いていく。

黒鉄の機体は、火口の彼方、文字通りの「場外」へと吹き飛んでいった。

「……やった。武おじちゃん、敵機反応、完全に消失!」

まいの歓喜の叫び。同時に、阿蘇を蝕んでいた黒い霧が晴れ、地底から響いていた邪悪な咆哮が消えていく。九龍が重弓騎兵から飛び降り、武の元へ駆け寄った。

「……あんた、本当にやってのけたばい。阿蘇の神さんも驚いとるたい」

武はバットを杖のように突き、荒い息をつきながらも不敵に笑った。黄金の腕からは白い蒸気が立ち昇り、ジャージはボロボロだ。しかし、その瞳には「大学生・蔵野武」としての穏やかな光が戻っていた。

「……試合終了だ。九龍、あんたの山を、返してやるよ」

(第3章・阿蘇激闘編 完結)

第3章完結です

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