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第26話:蝕まれる黄金

【前回までのあらすじ】

執行官・黒鉄が放つ「陰」の魔球をフルスイングで切り裂いた武 。しかし、弾き飛ばしたはずの黒いマブイは霧散せず、火口の熱気さえも吸い込みながら、再び武の周囲へと集まり始めた。


「……何だと?」

武が目を見開く。切り裂いたはずの暗黒のマブイが、粘りつく泥のように黄金のバットに絡みついていた。バットの芯に宿っていた「陽」の光が、急速に色褪せていく。

『理解していないようだな。陰とは「無」。切り裂くほどに増殖し、光を飲み込む深淵だ』

黒鉄が死神の大鎌を地面に突き立てると、武の足元から黒い触手が噴き出した。

「武おじちゃん、逃げて! 右腕の出力が急落してる! コアマブイを直接吸い取られてるよ!」

まいの叫びが火口に響く。武は後方に跳ぼうとするが、サイボーグの脚部が鉛のように重い。地熱冷却回路が「陰」の冷気に侵食され、蒸気機関が悲鳴を上げて凍りついていく。

「……くっ、身体が……動かない……!」

黄金の輝きを失ったバットが、ガラガラと地面に落ちた。

黒鉄が音もなく歩み寄り、大鎌の刃を武の喉元に突きつける。

『終わりだ、廃棄物。貴様のマブイは、我が財団の新たな「素体」の糧となる』

武の視界が、黒い霧に覆われていく。コアマブイが限界を告げるアラート音。だが、その絶望の淵で、武の赤い瞳だけは、まだ消えない火を灯していた。

「……まだだ。俺の試合に……コールド負けは無い」

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