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第21話:黄金の代償

【前回までのあらすじ】

巨大重装甲機獣『大巌亀』の熱線を打ち返した武。阿蘇の夜空を震わせる大爆発と共に前編は幕を閉じたが、その勝利の代償は小さくはなかった。


「……っ、いな」

武が呟くと同時に、黄金の右腕の関節から、どす黒いオイルが火花と共に噴き出した。過負荷による「異常振動バイブレーション」が止まらない。バットを握っていた指先は熱で癒着しかけ、黄金の輝きは鈍く曇っていた。

「武おじちゃん! 動かないで、今すぐ冷却するから!」

まいの声が震えている。彼女は軽トラから予備の冷却材とツールボックスを抱えて飛び出してきた。

タブレットに表示される武のバイタルは、危険域を示す赤色で点滅している。バッテリー残量はわずか2%。蒸気圧力は臨界を超え、このままでは武の肉体そのものが「素体」として崩壊しかねない。

「……九龍、すまないが周囲の警戒を頼む。このジャージ、また焦がしちまったな」

「馬鹿なことば言うな。あんたの命に比べれば、布切れ一枚なんてどうでもよか」

九龍は愛機を降り、複雑な表情で武を見守る。

まいは必死に「サビカビ」や「グリス負け」を防ぐ特殊な中和剤を散布しながら、武の右腕に冷却ホースを繋いだ。

プシュゥゥゥッ!

凄まじい白煙が上がり、武は激痛に顔を歪める。変身はしない。だからこそ、その痛みはダイレクトに彼の神経を焼き、人間であることを思い出させる。

「……まい、まだ行けるか?」

「……バカ。これ以上無理したら、本当に野球ができなくなるよ」

まいの瞳に涙が浮かぶ。だが、その背後の阿蘇の深淵では、浄化されたはずの空気が再び「ゼロコア」の不気味なノイズによって汚染され始めていた。

ついに前編が終了しここから後編です。

果てして武は無事阿蘇から帰ることができるのか

ぜひご覧ください

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