表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/29

第17話:火の国の洗礼

【前回までのあらすじ】

軽トラの荷台でゼロコアの追撃を「打ち返した」武。重装甲からくりの盾を黄金のフルスイングで粉砕し、包囲網を突破した二人は、噴煙たなびく阿蘇の山中へと踏み込む。


軽トラックがヘアピンカーブを曲がり切ると、視界が唐突に開けた。

月光に照らされた阿蘇の五岳。その山肌は、通常の夜山とは異なり、不気味な脈動のように赤黒く明滅している。

「……着いたよ。ここが阿蘇松井家の領地、『マブイ樹』の森の入り口」

ハンドルを握るまいの声が、緊張で強張っていた。まいのタブレットには、ここら一帯の「地熱マブイ」の数値が異常値を叩き出していることが示されている。

武は助手席から降り、黄金のバットを担ぎ直した。

足元からは微かな振動。それは火山の活動ではない。何千体もの「地熱蜂」が、地底で一斉に羽ばたいているような不気味なノイズだ。

「待っとったばい。蔵野武、それにオペレーターの娘」

霧の中から現れたのは、ボロボロになった大鎧を纏った九龍だった。彼の背後には、浄化された『岩鉄猪』が控え、その鼻からは青い蒸気が漏れている。

「九龍、様子がおかしいな。ここは、俺の知っている阿蘇じゃない」

「ああ、ゼロコアの奴ら、山の最深部にある『マブイ石の母岩』に直接パイプば打ち込みよった。山全体が、毒されたマブイで熱病にうなされとるたい」

その時、山の斜面から無数の赤い「眼」が光った。

財団に操られた野生の機獣たちが、侵入者を排除せんと、静かに包囲網を縮めてくる。

武は赤い瞳を光らせ、静かにジャージの袖を捲り上げた。

「……マブイの熱病か。なら、俺が冷やしてやる。黄金のバットでな」 [cite: 2026-01-24]

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ