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第13話:黄金のフルスイング


【前回までのあらすじ】

財団『コアゼロ』によって汚染され、狂乱した機獣『岩鉄猪イワテツジシ』が蔵野家を襲う 。ジャージを脱ぎ捨てた武は、黄金の機械肢を露わにし、再錬成されたバットを構えて巨獣の突撃を迎え撃つ


地響きを立てて迫る一トンの鉄塊。狂った機獣の突進は、並のからくり重騎兵を凌ぐ破壊力を持っていた 。

「武おじちゃん! 正面から受けたら機体がもたんよ!」

まいの叫びが耳元で響く。だが、武は一歩も引かなかった。

武の赤い瞳が、猪の突進軌道、筋肉の弛緩、そして排気口から漏れる蒸気の揺らぎを完璧に解析する 。

「……狙いは、一点だ」

武は「金」属性のマブイをバットの先端に集中させ、白熱する刃のような輝きを纏わせた 。

衝突の直前、武は極限の集中力で身体を僅かに沈める。それは打者が、剛速球を場外へ運ぶための「溜め」の動作だった。

「せいやぁっ!」

黄金のバットが、岩鉄猪の眉間に埋め込まれた制御用マブイ石を、寸分違わず叩き抜いた。

『カァァァン!』という、空気を切り裂くような甲高い打撃音が響き渡る。

「……打球は、センター返しだ」

衝撃波が機獣の全身を駆け巡り、汚染された黒い煙が霧散する。巨躯は勢いのまま、武の真上を飛び越えて背後の地面へと叩きつけられた。

岩鉄猪は、異常燃焼を起こしていたボイラーから静かな蒸気を吐き出し、そのまま動かなくなった 。

「……マブイの汚染が、消えた?」

九龍が驚愕の声を上げる。武はバットを静かに下ろし、荒い息を吐きながら、動かなくなった機獣を冷徹に見つめた。

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