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第12話:咆哮する機獣

【前回までのあらすじ】

九龍から阿蘇の異変を聞かされた武 。整備不良を見過ごせず九龍の地熱蜂を修復した直後、山並みから大気を震わせる不気味な咆哮が届く 。


それは、財団によって呼び覚まされた「機獣」の声だった。

地響きと共に、蔵野家の古い塀が内側からひしゃげた。

霧の中から現れたのは、巨大なイノシシの形をした「からくり」――いや、それは生物的な筋肉と錆びた金属が癒着した、野生の機獣だった 。

「……こいが、山ば追われた『岩鉄猪イワテツジシ』たい!

九龍が叫ぶ。岩属性の変質を纏ったその体躯は、ただの突撃でも機体を粉砕する質量を持っている 。

「武おじちゃん、逃げて! その機獣、マブイが汚染されとる! 制御不能よ!」

まいのオペレーター端末には、解析不能なノイズが。財団の強制介入によって、機獣のボイラーは異常燃焼を起こし、排気口からはどす黒い煙が噴き出していた 。

武は、焦げた大学ジャージを無造作に脱ぎ捨てた 。

露わになったのは、鈍く輝く黄金の機械肢。変身はしない。だが、その瞳は静かな、しかし烈火のような正義感で燃えていた 。

「……野球は、こんな汚い煙の中でやるもんじゃない」

武は「金」属性のマブイを再錬成されたバットへと注ぎ込む 。

狂乱した岩鉄猪が、猛然と突進を開始した。

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