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屋敷に戻った俺は深淵山脈の情報をとにかく集めまくった。


するとどうやら深淵山脈はさっき出くわした擬態スライムが一番レベルが低く、レベル200前後で、その次がエメラルドラビットのレベル250ほど。あとは300以上の魔物がうじゃうじゃと居るらしい。

擬態スライムは倒した相手の姿形へと変化することができるため最後に見た姿はウィンドベアーという魔物で、ウィンドベアーのレベルは350以上のため350以上のレベルの擬態スライムだったのだろうことがわかる。

マジで深淵山脈舐めてたわ。好奇心は猫をも殺すって言うし、次からは下調べをしてから行動することにしないとな。反省だ。

しかし、俺は今の状況が楽しくて仕方がなかった。

前世ではこんなにも胸が高鳴るようなことはなかった。自分では絶対に勝てない魔物、あの窮地でこそのスリル、逆転の一手や逃走の一手を瞬時に模索しなければならない状況、全てが楽しくて楽しくて、今でも思い出しただけで心臓の鼓動が速くなる。


どうしたら、あんな魔物相手に戦えるのだろうか?どうしたらレベル上げもできて強くもなれるんだろうか?考えるだけで全てが楽しい。ゲームを始めた頃のようなそんな気持ちに俺はなっていた。


あらゆる書物を読み漁り、どうすれば強くなれるのかただひたすらに研究し、色々と試してみるのだった。


月日は流れ

俺は15歳になった。


そして今日は深淵山脈に再挑戦しようと思う。

6歳の頃に現実を分からされたあの日から俺は強くなるために魔法の研究をし続け、第8位階魔法までは使いこなせるようになっていた。そして日々の鍛錬も怠らずに肉体も鍛えていた。そのためか15歳にしては背も高く筋肉質で、鍛えられた騎士とほぼ変わらない大きさにまで成長していた。


深淵山脈では第6位階魔法を使えるようになってようやく足を引っ張らないで済む程度だと親父から聞かされた。だからなのか親父のアークトク騎士団は第7位階魔法以上を使える者だけで編成されており、騎士団長に至っては神の領域と言われている第10位階魔法まで使えるようだ。ちなみに親父も第10位階魔法まで使えるし、アークトク家に代々伝わる第10位階魔法のその先の領域にまで至っている。親父あんたホントに人間かよ。魔王だって言われても納得できるぐらいには人間離れしてるよ。

しかし俺もかなり凄腕のようで15歳で第8位階魔法まで使える者はこの国でも片手の指で数えられる程度しか居ないそうだ。魔法を研究した甲斐があったってもんだな。


そんなことを考えながら深淵山脈に入った俺は、気持ちを切り替えるため両手で強めに頬を叩いた。


「リベンジしに来たぜ!深淵山脈!」


体から微細な魔力を垂れ流し周囲に気を配る。これは自己流で開発した魔力探知だ。魔力は基本的に透明で、魔力は魔眼の持ち主にしか視ることはできないみたいだ。だけど、俺は魔眼なんてかっこいいもの持ってないから、なんとか魔力を視ることができないかと考えて魔力を目に集めて目の神経に魔力を注いでいたら、視えるようになった。

この魔力に触れれば、魔物の位置がわかる。今は半径300mほどに魔力探知を発動してみた。


すると魔力探知で見つけた魔物は前方にウィンドベアーが2体、右方向にゴブリンエリートが3体。


右方向のゴブリンエリート3体から仕留めて、ウィンドベアーをそのままの流れで狩りに行くか。

そう決めた俺は魔力で体全体を包み、特に足に魔力を多めに注いだ。これは身体強化というらしく親父の騎士団の人に教えてもらった。

魔力は意外といろんな使い方があるらしく、これを研究するのもなかなか面白かった。


200m先にいたゴブリンエリートの近くまで走ってきた俺は第4位階魔法の黒剣を右手に発動し、左手で第6位階魔法の黒鎖を発動した。黒鎖はゴブリンエリート3体の動きを止めゴブリンエリートが動けないうちに素早く黒剣で首を刈り取った。


そのままゴブリンエリートの死体すら確認せずウィンドベアーが居るところまで身体強化状態で走った。


ウィンドベアー2体の姿を確認すると、第6位階魔法の黒鎖と第7位階魔法の暗黒結界を発動した。黒鎖でウィンドベアーの動きを止めようとしたが、ウィンドベアーは力が強いらしく黒鎖を引き千切られてしまった。だが、第7位階魔法の暗黒結界はウィンドベアーの体全体を膜の様に覆い何も見えず動くことができていない。その隙に黒剣でウィンドベアーの頭を一突きし、そして心臓を一突きした。するとウィンドベアーが1体倒れた。


1体倒しているその間にもう1体のウィンドベアーが鉤爪で風の刃を飛ばしてきた。その風の刃を土魔法で作った5枚の壁で防ぎ、第6位階魔法の黒鎖と第7位階魔法の暗黒結界のコンボで動きを制限し、頭と心臓を一突きして、倒した。


「ふぅー、なんとか倒せたな。土壁を4枚も貫通してくるとか5枚展開してて良かった〜。予想通り黒鎖じゃ動き抑えれなかったから暗黒結界を張っておいて正解だったな。」


通常であれば第7位階魔法の【暗黒結界】は自身を中心に攻撃から身を守るために使われるのだが、ヴィランはウィンドベアーを中心に暗黒結界を発動し、さらに黒霧を応用して何も見えなくしてから近づき、一突きする瞬間だけ暗黒結界を解除して倒したのだった。


ウィンドベアーの魔石だけ回収し、死体はそのまま放置した。


「この調子でどんどん行くか」

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