44
第3試合で魔法を十分に試すことができたため、オニキス君にこの試合をさっさと終わらせるように言った。
俺はマップを見て、敵の位置を確認する。同じ5階層には人が居ないが、4階層には全員が集まっていた。
戦闘が行われているようで、残りは6人になっていた。
マップを、見ながら下に向かおうとしていたが、マップから敵の点がまた2つ減り残り4人になっていた。
オニキス君を下に向かわせて俺は5階層に留まった。
そして、だいたい敵の居る真上の位置まで移動すると下に向かって【火柱】を4本を繋げるように発動させてマップに映っている敵に攻撃を食らわせる。
俺の攻撃により、おそらく1人は瀕死になっていることだろう。マップでは戦況が動いたため、さらに1人が消えていた。
俺は別の敵に向けて【火柱】を発動させる。
【火柱】で敵を確実に仕留めるならば、4秒以上は当て続けなければならないだろうが、敵も素直に【火柱】を食らうほどバカではないため、食らったとしてもすぐにその場から退避してダメージを軽減するだろう。
だが、ダメージを食らうと火傷のダメージを受けるため、その後の行動に制限がかかってしまう。
火傷であれば【回復】や【上級回復】を使えば治すことができる。
俺が【火柱】を放った敵はその場の敵に仕留められてポイントを取られているが、そんなことはどうでもいい。
最後の1人に【火柱】を当て、ダメージを負った所に下に降ろさせたオニキス君に仕留めさせて、第3試合が終わった。
最終結果はAクラスチームの1つが3ポイント、Aクラスのもう1つは3ポイント、Sクラスチームは3ポイント。そしてヴィランのチームは5ポイントとなった。
オニキス君が3キルで俺が0キル、生存者2人で2ポイントで合わせて5ポイントといった内訳になった。
「これでだいたい試したい魔法は試せたが、まだ他の魔法も試してみるか?」
「あの、ヴィラン様。」
「なんだ?」
「魔法は試合じゃなくてもタクティカルファイターの専用空間で訓練場がありますので、そこでも試せますよ。」
「そうなのか?なら今度そこで試してみるか。」
「すみません。僕はあまりタクティカルファイターに詳しくなくて、つい先ほど思い出しました。」
「まぁいいよ。それにしても敵が弱すぎるな。Sクラスのくせに全然じゃないか。Aクラスも弱い。」
「今回の試合ではAクラスもSクラスの連中もクラスの中でも下の方の順位の人たちでしたからね。それも仕方ないかと。」
「この学園は大丈夫か?あんな奴らをAとかSクラスにして」
「正直言って入学には賄賂もありますし、実力通りのクラスではない人たちが一定数はいると思います。特に貴族はそうですね。」
「なるほど。ということは平民で上位のクラスにいる奴は真の実力者ということか。」
「そうなりますね。」
「Aクラスに平民はいたのか?」
「たしか5名ほど居たかと思います。」
「5人か、やっぱり少ないな。Bクラスは?」
「Bクラスは10人ですね。」
「なるほどな。上のクラスはほとんどが貴族だな。」
「あ、そう言えばさっきの試合にセイヌ伯爵家の長男とか言ってる奴が居たんだが、セイヌ伯爵家はどんな家なんだ?」
「セイヌ伯爵家はあまり良い噂は聞かないですね。領地で好き放題やってるとか、平民を奴隷扱いしているとか聞きますよ。」
「へぇ〜」
「あ、ラクター君の話を覚えてますか?入学式の日の話です。」
「あー、たしかなんか言ってた気がするな。」
「ラクター君が殴って吹っ飛ばした相手が、そのセイヌ伯爵家のセイヌ・カマですよ。」
「あいつだったのか。」
確かにあの時も名前を言ってた気がするな。それにしてもあんな顔だったか。殴られて醜い顔になった時の顔が印象的すぎて気づかなかったわ。
どこかで見たことあると思ったら。あいつかよ。
「そのセイヌ・カマですが、入学して早速Aクラスの平民の子たちをいじめているみたいです。」
「おいおい、早いな。まだ入学したばっかなのに。」
「直接見た訳じゃないので、本当かは分かりませんが」
「じゃあ、今度Aクラスを覗きに行ってみるか。」
「承知しました。」
「それよりも次の試合はさすがに強い奴と戦えるよな?」
「僕たちは三連勝してますので、次は三連勝しているチームが敵に来ると思いますよ。」
「なら、それなりに強い奴が来るか。楽しみだ。」
タクティカルファイター専用の待機室で話をしていると次の試合の案内があった。




