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6歳の魔法適性の祝福が終わってからは親父から闇魔法について様々なことを学んだ。
アークトク侯爵家は代々闇魔法の使い手で俺の親父アークトク ダイカンはこの国一番の闇魔法の使い手らしい。
「と、一般的な闇魔法について全てを教えたが、理解できたか?」
「はい。全て理解しました。」
「なんと!さすがは我が息子!」
この親父事あるごとに我が息子って言ってくるんだが、もはやこれは口癖だな。
「ならば教えて魔法を使ってみよ。しかし、第五位階よりも上の魔法はまだ魔力量的に不可能だろう。第四位階までやってみよ。」
「わかりました。」
この世界の魔法は第一位階〜第十位階まで存在していて、十に近いほど強力な魔法のようだ。必要な魔力量もその分多いみたいだが。
第一位階の魔法は基礎的な魔法だ。闇魔法で言えば、空気を黒くする程度だ。
「第一位階魔法 【黒霧】」
俺は第一位階魔法である黒霧を発動させる。すると自身の目の前に魔法陣が展開され黒い霧が発生した。
続けざまに俺は第二位階魔法を発動させる。
「第二位階魔法 【黒矢】」
闇属性で出来た黒い矢だ。この矢でダメージを受けると相手は動きが鈍くなる効果がある。ダメージを受けて効果があるのは火、光、闇属性の3つだけだ。
だから、この世界では火、光、闇属性の適性がある者は優遇されている。光属性は王族か司祭以上の者しか使える者がおらず、かなりレアな属性だ。
「第三位階魔法 【黒鞭】」
自身の右手に魔法陣が展開され、手から何本もの黒い鞭が飛び出しうねる。この黒鞭のダメージを受けると微量だがじわじわと継続してダメージを与えて相手の体力を削るようだ。あとで研究してみよっと。
「第四位階魔法 【黒剣】」
自身前に魔法陣が展開されその魔法陣の中に手を入れ魔法陣の中から黒い剣を取り出す。軽く振り黒剣の感触を確かめる。うん。いいねこの剣。しっくりくる。黒剣の特性は切ったものを再生できなくする効果があるらしい。
「おぉ!さすが我が息子だ!第四位階まで完璧に魔法を使うとは!ならば黒剣で少し手合わせをしようではないか。」
親父がそう言うと親父も第四位階魔法の【黒剣】を発動した。
なんか親父の黒剣めっちゃ漆黒なんだが。なにそれかっこよすぎるんだけど。羨ましいんだけど。魔法陣から取り出すときなんか漆黒のオーラを纏ってたんだけど!?
「ではかかってこい!」
そうして手合わせをしたが、一度剣を交えただけで俺の黒剣が折れてしまった。
「ふむ。まぁ最初はそんな程度であろう。しかし齢6歳にて黒剣を出現させ、黒剣を維持できるとは大したものだ。さすがは我が息子だ!」
どうやらこの世界では第四位階魔法が使えるようになるのは12歳が平均らしい。の割にはあんまり驚いてないけどな?
「父上の頃はどうだったのですか?」
「儂は3歳の頃に何故か黒剣が出せたようだ。」
俺の親父天才だった。だからあんまり驚いてなかったみたいだ。
「おっと、そろそろ時間だな。儂はこれから仕事がある。ヴィランはどうする?」
「少し闇属性について練習をしようかと」
「うむ。いい心がけだ!その調子で精進するんだ。」
「はい!ありがとうございます!」
そう言うと親父は屋敷の方に戻っていった。
にしても、やっぱり魔法のある世界って最高だなぁ〜
魔法についてもっと知りたくなった俺は魔法の技が描かれている本を読んで闇魔法以外も試してみることにした。
まずは火からだな
「第一位階魔法 【火】」
これは火魔法の初歩だ。
「第二位階魔法 【火矢】」
火を矢の形状にしたものだ。火矢のダメージを受けると相手は火傷で体力が削られるみたいだ。
「第三位階魔法 【火球】」
火を球状にしたものだ。これもダメージを受けると火傷で体力が削られるみたいだ。あとは燃える。
「第四位階魔法 【火剣】」
自身の前に展開した魔法陣から火の剣を取り出す。
最初は熱いのかと思ったが、どうやら自身には影響がないらしい。火剣の特性は切ったものを燃やす効果があるらしい。
他の水、風、土、光も第四位階まで試してみたが、似たような感じだった。風と土は剣ではなく風は斬撃派を飛ばすようだった。土は土の魔法自体が特殊で第一位階で土の形状変化を覚えるとあとは規模が変わってくるだけとしか本にも記されていなかった。
そういえば光魔法は第三位階魔法が回復だったな。
光魔法ほ第四位階魔法の光剣の特性はダメージを受けた相手が数秒間動けなくなるみたいでかなり強そう。あとはアンデット系の魔物に対して効果がより強いみたいだ。
魔法も第四位階までは一通り覚えたことだし、こっそり魔物退治でレベルを上げるとするか。
どんな魔物がいるのか楽しみだなぁー。早く魔法を試してみたいところだ。