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なろう異世界史  作者:
37/38

なろう異世界史 迷宮篇⑲

どうも、またやってしまいましたね。


順番間違えました。

ごめんなさい。

最後の最後でやっちゃいました。


差し替えますしたのでどうぞ……

ご迷惑かけました。

「ここに来て、やっと良かったと思えましたっ! むふぅ~」


「そ、そうか。よかったな……」


 エリーゼのカチューシャがピョコピョコ嬉しそうに動いていた。


 たしかに、オレのこのショコラも美味かったな。


 ―――


「ん~~」


 と、外に出て伸びをする。


 もう、帰ろうっかな~


 エリーゼもスイーツで満足してそうだし。


 そんな中、何やらもめている風景が目に入る。


 どこかのアトラクションの後であろう言い合いが展開されていた。


狩場主「おい!! 今のLA、おれたちがやったんだぞ!!」

横取り冒険者「は? いや、トドメ刺したの俺だからww」

狩場主「貴様ァァァァ!!!」

横取り冒険者「ルール違反じゃねーしwww」

狩場主「倫理の問題だ!」

横取り冒険者「知らねえよwww」


「………」


 どこかで見たことのある光景だ……。


 そして、その隣でも――


元の狩場チーム「おい、なんでお前らがいきなり殴ってんだよ!」

乱入者「は?  ここって自由狩場だろ?」

元の狩場チーム「マナーってもんがあんだろうが!!」

乱入者「マナーって言い出すやつが一番ウザいんだよwww」

元の狩場チーム「テメェ……表出ろ!!」

乱入者「ここがフィールドだが?」


 同じ趣味のはずなのに……。


 まあ、冒険者ギルドでも似たような話はあるけどな。


 また別の場所では、スタッフともめている声が聞こえてきた。


冒険者A「また逃げられた!! これ仕様おかしいだろ!!」

冒険者B「いやいや、逃げるのもリアル狩場らしいだろ?」

冒険者A「運営! なんとかしろ!!」

運営(GM)「討伐は自己責任です。」

冒険者A「クソ運営がぁぁぁ!!」


 ああ、もう……。


 見てて気が滅入りそうだ。


 グダグダすぎるだろう……。


「……よし、帰ろうか……エリーゼ?」


「はい、それがいいかもですね」


 ―――ギルドに戻り。


「……と、まぁ、こっちはこんな感じでした。ちょっと、ガチ過ぎて、本物の冒険者が混ざってた気がしますよ……ランキングの上位に、どこかで聞いたことあるチーム名があった気がするんですよね……何、やってるんでしょうね、ほんとに」


「そ、そら大変だったな……噂には聞いていたが、すごいところだな。まぁ、たしかに依頼の場所が近いと倒した魔物で揉めたりとか、「依頼の邪魔!」だと言って「魔物を近寄せるな!」みたいな問題は、こっちでもあるのだが……そんなところまでリアルに寄せなくてもいいのにな」


ギルマスは遠い目をして、少しぼやきながら話した。


「ほんとですよね……」


「……わたしはちょっと分かるな。だって、悔しいじゃないっ! 横取りされるのって! アレは人としてやってはいけないことよっ! 絶対に負けられない戦いになるわっ!」


「お、おう……」


話を聞いていたチェルシーが熱く語りだした。


「いい、そもそも、狩ってるのを分かっていて、わざわざ横入りしてくるっ! そんな奴らはクソだっ! かと言って、その魔物から手を引いて魔物にそいつらを襲わせてやろうかと思うけど、もしよ! もしも、普通に狩られたら屈辱よっ! だから、引くに引けないっ! しかも、ここまで魔物の体力を減らしている労力を思うと、もう、ムカついて仕方がないわっ! くそっ! くそっ! ああ、大型魔物『グランドバズラス』のLA持って行かれた時のこと、思い出したわっ! くそぉぉぉ! あいつら、絶対に許さないっ! 死ねばいいのにっ!!」


チェルシーの怒りが爆発したその瞬間、周囲の空気が一気に重くなった。ギルマスも少し慌てて、話題を変えようとする。


「う、うん、まぁ、そんな感じだな。でも、気持ちはわかるよ。」


「……うん、冷静になろう、冷静に」


 と、ギルマスがしっかりと空気を変えるために頑張る。


 とりあえず、少しクールダウンしてからじゃないと、チェルシーに触れないほうが良さそうだ。


「あー! むしゃくしゃする! 後で、皆に連絡取って、集まれそうな日にち組んで、一ヶ月くらいこもってやる!」


「やめてくれっ! たのむから……」


 ギルマスは少し涙目になっていた……


「そ、そうか。がんばれよ……」


「はっ……? 何言ってんの。あんたも来るのよっ!」


「はっ?」


「はぁ?」


 ちょっと、コノコナニヲイッテイルノカワカラナイノデスガ……


「わたしは、あんたのために仲間集めようとしてるのよ。あそこの楽しさを知ってもらうためにね! だから、連れて行くわよっ!」


「ええ……」


「……ご主人様、その……頑張ってください」


 エリーゼさんに切り捨てられた……


「なに、言ってるのエリーゼ。あなたもよ」


「え?」


「はっ?」


「ちょ、ちょっと待ってください。わたし冒険者も初心者で……それに、ああいう場所はちょっと……」


「大丈夫、初心者にもわたしがやさい~~く、教えて上がるから、任せてっ!」


「ええ……」


「一緒に頑張ろうな……」


「ご主人様……」


「ふふふ。あなたたち、すごいチェルシーに気に入られたわね。まぁ、頑張ってらっしゃいな。わたしはランドで楽しんできますので。ああ~たのしみっ!」


 リベンジに燃えるチェルシーとランドに行ける喜びで幸福な顔をしているリーンさんを他所に、ギルマスはため息を吐き、オレとエリーゼもため息を吐いた。


 結局、チェルシーの情熱に押し切られ、オレとエリーゼは逃げられずに 、その手始めとして、地獄の狩り修行 に巻き込まれたのだった……

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