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なろう異世界史  作者:
31/38

なろう異世界史 迷宮篇⑬

「うう、行きたかった……行きたかった……うぅ」


 受付のおねえさんは、未だにいじけている。


「あー、もう仕事になんねぇな……わかったよ。今度、行ってこい……」


「ぐすっ……宿は……どうするんですか?」


「向こうの知り合いに頼んでおいてやるから、そこでお世話になってこい……ったく」


 そう言うと、おねぇさんの顔がぱっと明るくなった。


「いい、いいんですかっ!?」


「仕方ねぇだろ……お前がポンコツのせいで、こっちの仕事まで支障が出てんだからよ……はぁ」


 ギルマスは諦めたようだ。


「やったぁぁぁ!  何時にしよっかな、かなぁ。ふんふふ~ん♪」


「喜んでるのはいいんだけどよ。今からはしっかり働けよっ!」


「ラジャ! わっかりました! 力の限り働きまっするっ!!」


「お、おう……その調子で頼むわ」


 ギルマスは苦笑しながら、頭をかいた。


「ふんふ~ん。そうだ、○○さん」


 上機嫌になった受付のおねえさんが、突然話を振ってきた。


「オサカ王国って知ってますか?」


「ん? オサカ? ああ、ティーバ王国の西にある同じような国だろ? それがどうかしたのか?」


「ふふっ。あの国にも迷宮ランドがあったんですよ。でも……」


「え、そうなのか?」


 おねえさんはそこで言葉を区切り、こちらの反応を伺うようにニヤリと笑った。


「……聞きたいですか?」


「そこまで言ったのなら言ってくれないかな。気になるよっ!」


 オレがおねえさんの話がきになり出した頃、エリーゼは密かにもふもんと一緒に撮った記念写真を愛おしそうに眺めていた……


 ―――オサカ王国の迷宮ランド計画


 オサカ王国も、ティバ迷宮ランドが成功し始めた頃。


首脳陣「うちもやるか!」


 とテーマパーク化を検討。

 だが、予算の大きさに尻込みし、まずはティバの様子見をすることに。


首脳陣「おっ、ティバがうまくいってるじゃん! これならいける!」


 そう思ったオサカ王国は、ついに迷宮ランドを開園。


 しかし、オサカ王国の首脳陣は予算を抑え、迷宮内に設置する魔物の選定で大きく妥協をした。


 特に「もふもん」と呼ばれる愛らしい魔物たちの選定において、ティバ迷宮ランドがかわいらしさを徹底追求したのに対し、ティバで売れ残った「絶妙にかわいくないもふもん」たちを格安で仕入れてしまった。


 例えば、ティバのげっ歯類があの人気者だとしたら、オサカのげっ歯類はチャイナのような「もふもん」だった。


 結果、見た目が微妙なもふもんたちが迷宮内に配置されることとなり、客足は思うように伸びなかった。



首脳陣「……どうする?  これ、ヤバくね?」


 頭を抱える王国の首脳陣たち。そんな時に、とある転生者がこう提案した。


「かわいいがだめなら、リアル路線でいけばいいじゃない」と。


首脳陣「それだ!!」


 こうして、オサカ迷宮ランドは方針転換。

 

 名称も――


 ――「オサカ迷宮スタジオ」――


 に改め、リアル路線を強化して運営することになった。


 そして、ティバで売れ残った絶妙にかわいくないもふもんたちをさらに格安で買い取り、一部を「リアル感のある環境の中に生息する動物枠」として展示。


 そしてガチ勢の転生者のもとに集められた技術者たちが総力を結集し、リアルな魔獣を次々と開発。

 そうして生み出された魔獣たちは迷宮内に放たれ、ついに「狩り」をテーマにしたパークが誕生した。


 この流れを受け、オサカ迷宮スタジオもティバ迷宮ランドのパスポート制度にならい導入した。


 ブロンズパス:初心者向け、弱めの魔獣狩り体験。

 シルバーパス:中級者向け、討伐任務あり。

 ゴールドパス:上級者向け、強力な魔獣とガチバトル。

 ハンターオブレジェンドパス(通称:狩神パス):超高額、超高難易度、挑む者は限られる。

 

 こうして、新たな迷宮パークは「狩り好き」たちの聖地となっていった。


 だが、オサカ迷宮スタジオはこれで終わりではない。


「次はもっとヤバい狩場を作るぞ!」


 新たな挑戦を目指し、さらなる進化を遂げようとしていた——

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