なろう異世界史 迷宮篇⑥
そして、問題はまだまだ続く……
――さらなる問題:「魔物のブラック企業化」
そんな中、「魔物の労働環境」にも問題が浮上する。
「魔物たちが過労死寸前だって!?」
「スライムが毎日、体験用の攻撃を受け続けてボロボロになってる……」
「ゴブリンたちが『待遇改善しろ!』ってストライキを起こしたぞ!」
ついには、一部の魔物が人間に対し、
――「俺たちにも権利を!」と訴え始める始末。
これにより、迷宮テーマパークは
――「魔物と人間の共存問題」という新たな社会課題を抱えることとなった……
――終盤:「真の冒険とは?」
事態を収拾するため、首脳部たちは考える。
「迷宮を観光地化するのは悪いことじゃない……でも、このままでいいのか?」
議論の末、「迷宮を二部制にする」という改革案が持ち上がる。
観光用の『ファミリー向け迷宮エリア』
ガチの冒険者向け『リアルダンジョンエリア』
「これで観光客も満足、本物の冒険者も冒険を楽しめるはず!」
しかし、その矢先……
一部の魔物が、観光客を「餌」だと認識し始めてしまう。
「おい……観光客が消えてるぞ……」
「ちょっと待て、まさか……!?」
新たな恐怖が、迷宮に迫る――!
――冒険者ギルドで、
「と、まぁ、こんな感じでして…」
「………」
オレは受付のお姉さんの説明を聞いて、思わず唖然としてしまった。
最初はその情報に驚き、戸惑っていた。
しかし、お姉さんが話す内容に、一瞬冷ややかな気持ちが湧いたものの、どこか楽しみな自分に気づく。
予想外の方向に物事が進んでいくのを感じ、少しワクワクしてしまった。
「そうだっ!」
――パンッ!
お姉さんが何かに気づいたように、両手で手を叩く。
「近々、ここの迷宮にももふもんを投入する予定なんですよ。わたし、楽しみです。うふふ」
お姉さんの笑顔は、それはそれは今までで一番輝いてたのでした、まる。
「………」
それでいいのだろうか……オレは、一抹の不安がよぎる。
その時、ドアが開き、ギルドマスターと思しき男性が現れ、声をかけた。
「おーい、もふもんの見本がきたぞ。見てみるか?」
その言葉に、受付のお姉さんは身を乗り出して、食い気味に答えた。
「みたいっ! 見る見る! どこですかっ!?」
「ちょうどいい、あんたらも見てみるかい?」
「えっ! いいんですかっ!? 是非ッ! みたいですっ!」
「……っ!」
いつも大人しいエリーゼが食い気味に食いついてきた……
予想外の反応に、オレは焦るほど驚いた。
「エ、エリーゼ……」
そう、言うのが精一杯だった……
そうして、ギルマスに案内されて、オレたちは裏手へと赴くのだった。
――ギルド、裏庭で。
「それじゃあ、開けるぞ」
ギルマスの声で、布が掛けられていたケイジが姿を現す。
そのケイジの中には、ふわふわした小型のドラゴン型のもふもんがいた。
名前は『もきゅドラ』
もきゅドラは、小さなドラゴンで、全身がふわふわの毛に覆われている。
翼は小さく、一応飛べるものの、まだ不安定で、長くは飛べない。
特徴的なのは、その鳴き声だ。
普段は「もきゅ」と可愛らしく鳴くが、そのたびにふわふわの毛がわずかに震える。
嬉しいときには「もきゅもきゅもきゅっ!」と弾むように連続で鳴き、体を揺らして喜びを表現する。
一方で、不満や怒りを感じると「もきゅっ!」と少し強めの声を出し、ほんのわずかに毛を逆立てることもある。
飛ぶ際には、小さな翼を一生懸命動かして「もきゅもきゅ……」と頑張るものの、勢いが足りず、最後には「ぷしゅ~」と力尽きてふわりと落ちてしまう。
その姿が愛らしく、見ている者の心を和ませる存在だ。
「………」
なんともファンシーな生き物だ……ふわもんとは、まさにこういうものを指すんだろうな…
と思っていると、
「「キャァァァァ~~! かわいいぃぃ!」」
お姉さんもエリーゼも、まるで同時に叫んだ。
「……っ!」
その声に、オレは両手で耳を塞いだ。うるせぇぇぇ……耳が痛い。
それはオレだけじゃないようで、ギルマスも同じように耳を塞いでいた。




