表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なろう異世界史  作者:
2/38

なろう異世界史 物流編①

 ―――わしは、思いもしなかったんじゃ。


 冒険のために力を使うことが、やがて冒険そのものを歪めることになるとは……。


 はじめは、自分自身の冒険の手助けになると思って、アイテムボックスと転移魔法を所かまわず使用していた。


 そら、冒険仲間たちからは感謝されたよ。


「お前がいれば、遠征が楽になるな!」


「さすが転生者だぜ!」


 その言葉に絆され、得意になってますます使っていった……。


 だが、冒険者としての便利さに慣れ過ぎた結果、それがかえって大きな問題を引き起こすことに気づくのは遅かった。


 最初は確かに便利だった。

 アイテムボックスに魔物をそのまま収納して、帰ってからじっくり解体して素材を選別する。

 戦利品の整理も簡単だし、装備の管理も手間いらず。


 さらに、転移魔法を駆使して遠征の日数を削減。

 仲間たちは「時間を節約できる」と大喜びだった。


 しかし……。


 それを繰り返すうちに、次第にこの力に依存するようになっていったんじゃ。


「これがあるなら、歩く必要ないな」


「もう普通の遠征なんてやってられない」


 わしも、仲間も、次第に冒険の本質を忘れ、ただ効率だけを追い求めるようになっていた――。


 そして、それを快く思わない者たちが現れた。


「てめぇらのせいで、こっちは仕事が減ったんだぞ!」


 気づけば、普通の冒険者たちの視線は冷たく、厳しいものになっていた。


 そらそうじゃ……


 彼らは、苦労しながら少しずつ進んでいくしかないのに、わしらはその努力を踏みにじるような真似をしていたんだからな。


 だが、問題はそれだけじゃなかった……


 転生者が増えるにつれ、もっと深刻な問題が浮き彫りになっていったんじゃ――。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ