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なろう異世界史  作者:
18/38

なろう異世界史 迷宮篇

 荒れ果てた「死の大地」にポツンと建つ一軒家。


 その中で暮らしているのは転生者であるおじいちゃんだ。

 今日もおじいちゃんの家を訪れたのは、元気いっぱいの孫、クリスだった。


「おじいちゃん、また来たよー!」


「おう、よく来たな。今日は何をして遊ぶか――」


 そのとき、外から不穏な唸り声が聞こえた。


「おやおや、来やがったか。ディストラクショ(破滅の)ンウルフ()の群れだな」


「えっ、ウルフ!? 大丈夫なの、おじいちゃん!」


「ふふ、これくらい朝飯前だ」


 おじいちゃんは軽く杖を掲げ、呪文を唱えた。

 瞬く間に空が暗くなり、強烈な雷がディストラクショ(破滅の)ンウルフ()の群れを一掃する。


「ふぅ、これで静かになったな。……お、いい感じの肉が手に入ったぞ。クリス、今日は焼肉パーティーだ!」


「やったー! お肉、大好き!」


 その後、おじいちゃんとクリスは家の庭で焚き火を囲み、焼きたての肉を楽しんでいた。


「おじいちゃん、この辺って魔物多いよね~。危なくないの?」


「そうだなぁ。今は多いけど、一時期は逆に魔物が少なくなったこともあったんだぞ」


「えっ、少なかったの? なんで?」


「魔物狩りが盛んになりすぎたからな。そのせいで迷宮が空っぽになるという異常事態まで発生したんだ」


「迷宮が空っぽ!? それ、なんか面白いね!」


「だろう? その結果、『魔物保護条例』なんてものが発動されて、魔物を増やすために転生者が手を加えると問題が発生したんだよ」


「なにそれ、めちゃくちゃうけるんだけど! おじいちゃん、もっと詳しく聞きたい!」


「ふふふ、聞きたいか? よし、話してやろう……この『迷宮の魔物不足問題』の全貌をな」


「わーい!おじいちゃんの話、大好き!」


 こうして、おじいちゃんの奇妙で面白い異世界話が、夜遅くまで続いたのだった。


 ――あれは、物流問題が解決した後だから、今から450年前かの。

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