護皇の壁 死神の拳
そんな彼の行く手を阻もうと、遠隔操作兵器は包囲し、至近距離からの一斉射撃をしかけようとしてきたが、
「鬱陶しいんだよ、てめぇら! 白虎! 護皇壁っ!」
その場で回転した白虎の掌打によって、照準をずらされた兵器達は、同士討ちとなり、1機残らずスクラップと化した。
「これで邪魔物はいなくなった。あとは……お前を縛りつけているその檻をぶっ壊すだけだっ!」
獲物を見据える白虎に、お供を失ったカプセルは、苦し紛れにエネルギーをチャージし始める。
「させっかよ! それをぶっ放す前に粉砕してやる! はーっ!」
白虎は咆哮と共に己の闘気を限界まで高めると、一気に距離を詰め、何十トンはあろうかというカプセルを打ち上げてから、爪のように指を立てた掌打で怒涛のラッシュをくらわせた。そして、ありったけの闘気を全て両手に集めると、
「これでぇ、トドメだーっ! 白虎流護皇死神拳・最終究極奥義っ! 白虎! 死神拳っ!」
と、技名を叫びながら、渾身のダブル掌打をカプセルに叩きこんだ。
白虎流護皇死神拳唯一の独自開発技であり、奥義中の奥義でもある最強の技。まさに、必殺技と呼ぶに相応しいそれをモロにくらったカプセルは、爆発する間もなく粉々にされ、中の液体諸共、無と化した。
肝心の黄泉はというと、液体が衝撃を和らげるクッションの役割をしてくれたおかげで、外傷は無し。解放されたことで支えを失い、倒れそうにもなったが、白虎が慌てて抱き抱えたため、掠り傷1つ負うことはなかった。
「おい。おい、黄泉! 起きろ! 目ぇ覚ませよ!」
揺さぶって覚醒を促そうとするが、長期間の実験と、この戦闘による影響で衰弱しているし、内蔵や脳にダメージが無いとも限らない。揺するのはそういった臓器に深いダメージを与えることになりかねない。
安全を確認して近寄った鳳凰は、白虎を止めると、すぐさま2人の治療を始めた。




