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共に歩む修羅の道

 復活する兆候も無い。憧れの存在でもある相手をついに超え、復讐を果たしたフローラは、


「さようなら、火口焔司郎。願わくば、この炎の華が亡きお母様への供花となれば幸いですわ。そして、あなたにとっても……」

 壁に囲まれた夜空を見上げて、尊敬する2人の冥福を祈った。


「お嬢様……」


「ルドルフ、私もまだまだですわね」


「と、言いますと?」


「私はただ、与えられた凶器を使い、漠然と炎を操っていましたが、あの男は違います。どこに火をつけ、どう集めればいいか、効果的に燃えるのか。炎の特性を完全に把握し、支配していましたわ。あれは、ミュータント能力によるものではなく、生まれついた才能なのでしょう」

 今回フローラは、相手の驕りや、ルドルフのアシストもあって葬ることができたが、もし、フラメ・ブリューテンブラットの着火方法に気付かれていれば、結果は逆だったかもしれない。それぐらい、技量ではまだまだ遠く及ばない。

 だったら、潔く負けを認めて廃業するか? 復讐を遂げた今、それもいいかもしれない。しかし、フローラは安寧ともいえる選択を選ばなかった。


「ですから、もっと精進いたしますわ。それが、あの男を灰にした私が為すべきことでしょうから」


「かしこまりました。でしたらその修羅の道、私もお供いたします」


「えぇ、これからも頼りにしていますわ。ルドルフ」

 フローラとルドルフは、改めて殺し屋とそのパートナーとして生きていくことを誓い合うと、恋人のように寄り添った。


 それもそのはず、実は、あの時の澪の助言によって、互いの想いを知ることができた2人は、今回の召集がかかる少し前から、付き合い始めていたのである。

 といっても、公にはしていない。令嬢と召使いという立場があるからだ。

 だから、いずれは父親が決めた結婚相手と結婚させられるかもしれないし、それまでの淡い夢だということも、重々承知している。

 それでも、フローラとルドルフは心に燃えた恋の炎を消すことはできなかった。美しき炎を求める修羅の道も恋路も誰にも止められないのだから――――

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