表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/83

連れてこられた場所は……

 先程まで聞こえていた商店街の活気に満ちた声が消え失せ、代わりにジェットエンジンによる爆音が轟く。

 周囲の環境の激変ぶりに、龍達が何が起きたのかわからず呆然とする中、例の気配の主はしゃべり始めた。


「ふぅ……流石にこの人数を瞬間移動に巻き込むのは、なかなか骨が折れるなぁ……あぁ、もう外していいよ」

 聞き慣れた声に、誰よりも早く反応した雲雀は、アイマスクを雑にとるなり、その人物にツッコミを入れた。


「――って、ちょお待てぇ! あんた、何しとんねん。ペガサス!」


「あはは、やっぱり声でバレたか」

 見破られたペガサスはテヘッといった感じで、笑って誤魔化す。

 そのやりとりを聞き、気配の正体がペガサスだと知った他の家族達は、安心してアイマスクを外す。


「あ、ほんとだ」


「やぁ龍君。それとご婦人方と娘さんも。元気そうで何より」


「ペガサスさんこそ。でも、いいんですか? 紗那さんのことで忙しいのでは?」


「確かにそうなんだけど、そうも言ってられない状況だからね。それはさておき、みんなに問題です。ここはいったいどこでしょうか?」

 これまた突然すぎるクイズタイムに、首を傾げた青山一家は周囲を見回した。


 ミサイル程度じゃビクともしなさそうな頑丈な建物に、格納庫にズラリと並ぶ戦闘機。そして、緑を基調とした軍服を着た兵士達。

 それら全てが、龍にとっては見覚えのあるものばかりだった。


「ここ……大阪空軍訓練所だ」


「ピンポーン」


「なんやて!? ちゅーことはうちら、日本に帰ってきたっちゅーことかぁっ!?」

 そう。青山一家は武文の思惑とペガサスの瞬間移動によって、2度と帰るまいと誓った祖国に帰ってきてしまっていたのである。


「みたいね。武文君?」

 全員の不満を代弁するように、柚は武文を睨みつける。


「まぁまぁまぁ。それについては、中に入ってからちゃんと説明するから、とりあえずついてきて。ここじゃ暑いし、ね?」

 エピウスに比べれば気温こそ低いが、湿度が倍以上違う。釈然とはしないが、素直に従った方がいいと考えた一家は、ペガサスから入れ替わった翔馬の案内で、大阪空軍訓練所に入った――――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ