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人を呼べない代わりに

「頼もしい限りですね。で、ペガサス。他には?」


「いないよ。いても、1()()がいいところかな?」

 ペガサスからの回答に、質問した恋と王龍達は猛抗議する。

 それもそうだ。敵は大勢のデミ・ミュータント。人間の一般兵ごときが太刀打ちできる相手ではない。せいぜい足止めがいいところだ。

 故に、対等に渡り合える強者が必要であり、ペガサスの知り合いには、異種族の混血等そういった手合いが多い。


 にもかかわらず、援軍要請が難しいのは、彼ら自身が多忙なことと、青山一家の生存を世間に知らせるわけにはいかないという理由があるからである。(無理矢理連れてきておいて、身勝手な話ではあるが)

 また、仮にそういった事情が無かったとしても、戦場はだだっ広い平原ではなく、拘置所。刑務所と違って運動場の類はなく、周辺の道路を封鎖したとしても、エリアに限りがあるため、迎撃する人数も制限されてしまう。

 だったら、兵士を減らせばいいと思うかもしれないが、ペガサスが呼べる仲間の大半は、零のような大規模破壊と大多数戦を得意としており、下手に加勢させたら、建物ごと裁判待ちの被告らまで殺してしまう。


 だから、一般兵に手伝ってもらうしかないのだ。

 ちなみに、アレックスと渓の部下は、建物の外からの援護に徹してもらうため、柚達が入れる拘置所には入れないし、味方の詳細についても明かすつもりはない。


「代わりといってはなんだけど、4人分の装備を昨日から急ピッチで作っている」


「そんなんえぇから、人、寄越せ!」


「ストップストップ。その装備、君の分もあるんだけど?」


「へ?」


「しかも2個」

 思わぬ朗報に、散々文句を垂れていた雲雀は沈黙した後、嬉しさを押し殺すように咳払いし、


「せ、せやったら、まぁ、しゃーないか」

 と、わかりやすく手の平を返した。


「翻した! 今、完っ全に自分の意見を翻した! 2つも作ってくれるって聞いて、よっぽど嬉しかったんだ!」


「じゃかましぃ! ボケ共!」

 澪を筆頭に、柚と宙と美夜と人志らから一斉に指を指されて指摘されたことに、怒りと気恥ずかしさで赤面した雲雀は逆ギレした。


「ともかく、これで敵の出方はわかった。しかも、それだけの物量を送り込んでくるということは、裏を返せば、本拠地が手薄になるってことでもある」


「だな。ケリをつけんなら、そこしかねぇな」


「ですね。ペガサス君、装備の方はもう全部作り終わってるの?」


「まだ、2人分残ってる。できるだけ急ぐけど、昼の2時は過ぎると思う」

 現在、午前9時過ぎ。5時間近くもかかることに、大牙らは不満げだが、仕組みやら素材やらがややこしいため、こればかりは仕方がない。


 ならば、その時間を有効活用するしかない。武文と岩男が作戦を考え、ルドルフとペガサスが作業をする間、雲雀達は鍛練をすることにした。

 そんな中、何かを思い付いた龍は、ダメ元を承知でペガサスに()()()()()をしていた――――

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