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嬉しくない再会

 しかし、そこには既にあいつがいた。


「おっと。そうは問屋が卸さないよ」


「な!?」

 影の能力で先回りし、天井に逆さ吊りになりながら待ち構えていた鶉が。


「つーか、来んの遅すぎ。重力で帽子が落ちるのを止めとかなきゃなんないし、何よりこの体勢、けっこうキツいんだよ?」


「それはすまないことをしたね。けど、それを承知で待っててくれてたとは、意外と律儀な子だね」


「でしょー?」

 そこまで会話をしたところで、監禁部屋で彼女と会っていた面々は、ようやくあの少女だと気付いた。


「え!? その声。もしかして、淳……ちゃん?」


「ピンポーン。大正かーい。おめでとう、キャハハハハ!」

 先刻とは違う狂ったような笑い方をする少女の本性に、宙達は愕然とする。


「なるほど。敵は君の方だったわけか。てことは、君が彼の切り札?」


「正確には懐刀ね。真の切り札は別にいるよ」


「そう」


「まぁ、それはそれとして――」

 鶉はそう言うと、京介が言っていたかつての仲間の方を向いた。


「久しぶりだね。ヒバリン、人兄ぃ」


「あぁ。ほんまに久しぶりやなぁ、イカレピエロ。サーカス団崩壊以来か」


「ピエロじゃなくってクラウン。ほんっと物覚え悪いなぁ、ヒバリンは。笑わせることしか能がない下等な道化と一緒にしないでよ」

 鶉の服装から、薄々そんな気がしていた者もいたが、ほとんどの仲間達は、朱雀と人志の関係者だったことに仰天する。


「え!? 雲雀の知り合い!?」


「あぁ、サーカス団におった時の同期や。ガキの頃から、流血やら破壊やらが大好きなイカレ問題児でな。うちも人兄ぃも、よぉ迷惑かけられた」

 ウンザリとした顔で語る朱雀の様子からして、当時の苦労が窺える。

 ただ、朱雀がウンザリしている理由は他にもあった。


「ってか、お前、なんで生きてんねん? うちが団長を殺した時に、一緒に焼け死んだはずやろ。しかも、うちより若いってどういうことやねん?」

 そう。13年前のあの日。団長らの死で混乱するテントに取り残された鶉は、そのまま火事に巻き込まれて亡くなっていたのである。

 そんな人物が何事もなかったかのように現れたのだ。朱雀も人志も平静を装ってはいるが、内心穏やかではない。


「それ、あたしもよくわかってないんだよねー。京介が言うには、4年前にサーカス団のテントがあったところで、スッポンポンになって倒れてたらしいけど」

 死んでいた人間が、事件後10年近く経ってから現れた。それも当時の姿のままで。

 常識では考えられない不思議な現象だが、それが可能であることを、ここにいるほとんどの者は知っている。

 仲間達は一斉にペガサスを睨みつけたが、当の彼は関与を否定した。


 知っての通り、リヴァイヴは対象のみならず、対象と同時期に寿命以外の要因で死んだ者も、まとめて復活させる。

 未来が命を落としたのはクリスマス。鶉が死んだのはそれから8ヶ月後。影響があったにしては、日にちが経ちすぎている。

 無論、ペガサスが見ず知らずの人間の少女を復活させる理由も利点もない。つまり……彼以外にも、復活させる術を持つ者がいるということである。


 その人物こそが京介なのか? それとも、他の人物の仕業なのか? いずれにしても、聖民党の一件前後から続く違和感を解くキーマンに違いない。

 様々な手がかりから考察するペガサスは、不気味な真実に近付いたことに手応えを感じるが、恩恵を受けて復活したであろう鶉は、まるで他人事のように全く気にしていなかった。


「ま、あたしからすればラッキーだけどね。こうして蘇っただけでなく、デミ・ミュータントっていう新しい力も手に入れられたからね。京介には感謝してもしたりないよ」


「芸仕込んでくれた師匠を病院送りにしたあんたが『感謝』とはなぁ。明日は雪でも降るんとちゃうか?」

 朱雀は嫌みったらしく言うが、鶉からすればどこ吹く風。笑ってスルーする。

 鶉は、朱雀の過去回想で初めて登場しています。

 お忘れになった方や気になった方は、『死獣神~骨の書~』をご覧ください。

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