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手元にある駒

 同じ頃、青龍達とは別ルートで所長室に向かっていた黒猫達は、無事瞳らと合流。

 戦えない美夜達だけでも、外に逃がすことも選択肢としてあったが、戦力を分けるのも、彼女達だけで逃がすのもリスクがあるため、仕方なくついてきてもらうことにした。


 そうして進み続けること数分。一行は瞳と零が加わったことで増した殲滅力を、遺憾なく発揮して、雑魚を蹴散らしつつ、突き進んでいた。


「ほんま、末恐ろしいなぁ。あんたらが味方で良かったわ」


「まだまだ。こんなもんじゃないよ。ずっと閉じ込められっぱなしでストレスが溜まってたからね。もっと暴れないと気が済まないよ。オラァッ!」

 雄叫びと共に振り抜かれた足が、デミ・ミュータントの脳天に直撃する。あぁなっては再起不能であろう。


 もっとも、暴れているのは彼女だけではない。零は一言も発していないが、美しい刀身の刀・クリエイトソードと身の丈ほどもあるハンマーを淡々と振るい、恋は親友との再会を噛み締めながらも、自身の体から生み出した深紅の魔剣・幻魔(げんま)から斬波を放って一掃する。

 他の者達の活躍も同様だ。


 その中でただ1人、ペガサスだけは戦いを仲間達に任せて、ずっと頭に引っ掛かっている疑問について考えていた。


「どうしたの? ペガサス君」


「……どうもね、嫌な予感がするんだ。僕が彼なら、この状況で一目散に逃げない手はない。チキンと噂の彼なら尚更だ。そうしないってことは、まだ僕らも知らない手駒、それもルークやクイーンクラスが手元にある可能性が高い」


「確かにそうですわね。だとすれば、その者は既に龍さん達と?」


「おそらく」

 ペガサスとフローラの予想は当たっていた。そして、その結果、賢助は……


「だったら、一刻も早く合流した方が良さそうね」


「そうっすね。猫宮先輩、次はどっちっすか?」


「右よ。その後、突き当たりまで直進すれば、所長室に1番近い階段に着く」

 千里眼でルートを確認した黒猫からの案内を聞き、了解した白虎を先頭に、朱雀達は廊下突っ走り、最後の角を右折した。

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