ずっといた少女
せめて、トイレや風呂ぐらいまともにさせてほしい。1番の一般人である美夜は堪らず不満を漏らす。
すると、
「大丈夫。見張りに頼めば、お風呂ぐらい入れるよ。監視付きだけど」
部屋の奥から彼女の不満を解決する答えが返ってきた。
不意に聞こえた聞き馴染みのない声に、全員が不審に思い、一斉に振り向くと、金髪ツインテールの少女が部屋の隅にチョコンと座っていた。
「誰? あんた!?」
「みんなも知らないの?」
「えぇ。というか、私達よりずっと前からいた気が……」
「そりゃそうだよ。だってあたし、物心ついた時からずっとこうだもん」
見たところ、小学校低学年ぐらいだろうか。幼くして両親と無理矢理別れさせられた少女を、瞳達は不憫に思う。
「あんたみたいな子もいたなんてね。今の今まで気付かなかったよ」
「見張りに目をつけられないように影を薄くしてたからね。だから、しーっ、だよ」
そう言いながら、少女は人差し指を口の前に立てた。
「そうね。教えてくれてありがとう。えっと……」
「淳だよ」
「淳ちゃん、必ず助けは来るから、それまでは希望を捨てず、大人しくして待ってようね」
心細い思いをしてきたであろう少女を慰めるように、零が優しく頭を撫でると、淳はあどけない笑顔を返した。
「あんな幼気な子まで監禁しやがって、マジでどうしようもねぇ奴だな。あのロリコン」
それもこれも、デミ・ミュータントの実験台にするためである。
半龍半人である零は、龍の力と創世神の力が、デミ・ミュータント開発にどんな影響が出るか調べるためが目的だとは思うが、他の面々に関しては、例の3本の矢に誰が適合するかわからない以上、老若男女問わず手当たり次第集めている、といったところだろう。




