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モアイは多くを語らない  作者: 花実 百合斗
1/1

石像との出会い

1月の中旬、都内でもかすかに雪が積もる朝。


「ひな!早くしないと遅刻するわよ。」

「うーん、さむい、あと少しだけこの天国に。」


数分後


「おかーさん、起こしてよー」

「起こしたけど、天国だのなんだの言って起きてこなかったじゃない。」

「そうだけど、そうなんだけど。」

「まったくしょうがない子ね、カバンにお弁当入れておいたから。気を付けていくのよ。」

「ありがとうお母さん、大好き!行ってきまーす!」



道端に少し雪が積もる学校までの道を走る

「無遅刻無欠席の皆勤賞まであと2か月こんなところで途切れさせるもんか。」


寝坊してしまい遅刻しそうなため普段は通らない狭い路地を通る。するとどこかで見たことのある石像が道のわきに立っていた。


「こんなとこにモアイ?なんでモアイなんか置いてあんの?やっば、そんなことより急いで学校に行かないと遅刻しちゃう。」




学校までの道を走り始めると、声がかけられた。


「お嬢ちゃんそないに急いで危ないで」

「うわっ!モアイがしゃべった!」

「そらわしかて喋るがな。一日中だまーって突っ立っとる訳やないで。」

「なにこれ、最近流行りのどっきりか何か?どっかにカメラでもあるんでしょ。」

「残念やったな、正真正銘喋るモアイやで」

「いやいや、そんなのいるわけないでしょ。てかなんで関西弁?しかも関西のひとが聞いたら怒られるわよ。」

「これは関西弁やのうて、モアイの共通言語や!かあちゃん、とうちゃんから隣のおばはんまでみーんなこの喋り方やわ。」

「モアイってやかましい種族だったのね。」

「そないなことより、なんや急いでいるようやったけどどないしたん?」

「そうだった!学校に遅刻しそうなんだった。」

「学校に向かっとったんか、それは話しかけてすまんかったな、ほな気を付けて行ってくるんやで。」


変なモアイに話しかけられて時間を取られたけどなんとか遅刻はしないで済みそうだ。

それにしても最近のテレビ番組はあんなに手の込んだものを作るとは、本当にモアイが話しているようにしか見えなかった。


その後何とか時間に間に合い遅刻はせずに済んだ。



昼休みになり、今朝あったことを親友のゆいに話した


「聞いてよゆい、今朝遅刻しそうになってさ。」

「陽菜ちゃんさむいの苦手だもんね。」

「そうなんだよ、冬場の布団は天国だよ。ってそれもそうなんだけど、登校してくる途中にモアイがいたんだよ!」

「もあい?モアイって石でできた?」

「そう!でっかい頭の石像!多分テレビのどっきり企画だと思うんだよね。」

「?なんでどっきりだと思ったの?」

「だって関西弁喋ってきたんだよ、それもエセ関西弁!」

「なるほど、昨日のテレビでも似たようなどっきり番組やってたし。それじゃあ陽菜ちゃんテレビに出るの?」

「ううん、遅刻しそうだったしほとんど話さなかったから放送されないよ。」


実際急いでいたし髪もボサボサだったろうからそんな状態でテレビに出たら一生の恥だ。


「なんだ、残念。」

「えーなんでゆいが残念がってるの、まぁ急いでたし恥ずかしかったからいいんだけどね。そうだ!ゆいはかわいいし、一緒にいってみない?」

「(…かわいい)ちょっと面白そうだし放課後言ってみようか。」

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