アフリカに野球を
野球をもっと世界に広めたい。
特に注目しているのが、「アフリカ」だ。
若い世代が多く、これから先、かなりの人口増加が見込める。彼らの多くがファンになってくれたら、野球は安泰だろう。
それで、アフリカに野球を広めるために、さまざまな事前調査をしてみた。
すると・・・・・・。
「すでにサッカーの人気が圧倒的です!」
現地調査員からの報告に、『野球普及委員会』の幹部たちは顔をしかめた。
アフリカに住んでいる人たちの多くが、サッカーに夢中らしい。野球はマイナースポーツなんだとか。
「うむむ・・・・・・」
しばらくの間、会議は沈黙ばかりが続いた。ここから巻き返すのに、何かアイデアはないだろうか。
やがて、一人の幹部が提案する。
「だったら、こういうのはどうでしょう」
そして、翌年になった。
アフリカのサッカー場には、ものすごい数の観客が駆けつけている。今日がシーズンの開幕戦だ。これから始まる試合を、観客は楽しみにしている。
さっそく両チームの選手たちが入場してきた。
ホームチームのユニフォーム、昨年とは印象が変わっている。胸の部分に入るスポンサーが、今年から変更になったのだ。
現地の言語で、『日本プロ野球』と読むことができる。
まずは、こうやって認知度を上げていくのだ。サッカーの人気に便乗する。試合のたびに、繰り返し目にしていれば、「野球」に興味を持ってくれるかも。
野球をアフリカに広めたい。その挑戦は始まったばかりだ。
さらに翌年になる。
それなりに効果があったので、今年も同じチームのスポンサーを継続する。ユニフォームの胸の部分には、現地の言語で、『日本プロ野球』だ。
ところが、他のチームのユニフォームを見て、『野球普及委員会』の幹部たちは驚いた。
そこには、『パシフィック・テニス』や『セントラル・ゴルフ』や『世界大相撲』の文字が・・・・・・。
アフリカに色々なスポーツが広まった。
次回は『ホームランを打つ夢を見た』というお話です。




