ライバル対決
ライバル同士の対決。
それは時に、主人公の戦いよりも面白いという。
そんなライバル対決が今、テレビ画面に次々と映し出されていた。
どれも人気マンガで、すべて「バトルもの」だ。ライバル対決の名シーンばかり。それらのマンガを全然知らなくても、絵から迫力が伝わってくる。
そして最後に、次のような文章が出現した。
――ライバル対決は面白い!
これはCMだ。日本で開催されている野球の世界大会、その試合のCM。
ただし、日本代表の試合ではない。日本と同じグループリーグの試合だが、日本以外の二国による試合だ。こういう試合は得てして、球場に来るお客さんが少ないもの。
自国開催の世界大会において、自分の国は応援するが、それ以外は無関心。これは世界的に見ても、そう珍しいことではなかった。
とはいえ、せっかく日本で試合をするのだ。海外の代表チームには、「日本が開催地で良かった♪」と思って欲しい。できることなら、たくさんのお客さんがいる球場で試合を。
そこで大会運営委員会は、こんなテレビCMをつくってみたのだ。
――ライバル対決は面白い!
しかし、現実は非情だ。
試合当日、球場にいるお客さんの数は千人にも届いていない。この球場は数万人を収容できるのに、ぐぬぬぬ・・・・・・。
だが、こうなることも少しは予想していた。
なので、別のプランも用意してある。
「やれ!」
大会運営委員長の合図で、球場内に変化が起こった。
バックスクリーンの両側にある二つの巨大モニター、そこに映し出されたのは・・・・・・。
「おおっ!」
両チームの選手たちの視線が、モニターに釘付けになる。
左右それぞれに映し出されているのは、双方の母国からの中継だ。現地の大応援団が選手たちに手をふっている。
このサプライズに、選手たちの闘志はさらに高まった。母国からの大声援が、自分たちの背中を押してくれている!
さぁ、試合開始だ。プレイボール。
この試合、手に汗握る展開の連続で、本大会屈指の名勝負となった。
次回は「イギリス」という国のお話です。




