ちょっと風呂に入ってくる
お城の兵士二人が魔法のテレビで、野球の試合を見ていました。
応援しているチームが勝っているので、良い気分です。この試合に勝てば、十年ぶりのリーグ優勝です。
途中で兵士の一人が、
「ちょっと風呂に入ってくる」
テレビの前を離れました。
今の内に用事を済ませておけば、優勝の瞬間をゆっくり見ることができる、と考えたのです。
そして、風呂に入っている最中でした。
悪い魔女が、お城のお姫さまを襲撃します。
お姫さまは呪いをかけられて、眠ってしまいました。年をとることはありませんが、ずっと眠ったままになる呪いです。
この呪いは、お城全体にも広がります。
風呂に入っている兵士も、テレビの前にいる兵士も、お城にいた他の人たちも、みんな眠ってしまいました。
そのあと、百年が経ちました。
ある日のことです。お城にやって来た王子さまが、愛の力で呪いを解き、お姫さまを目覚めさせたのです。
それによって、お城にいる人たちも次々と目を覚ましました。
風呂から戻ってきた兵士は、テレビの前にいる兵士に聞きます。
「試合は今、どんな感じ?」
「・・・・・・」
試合は百年前に終わっていました。
悪い魔女のせいで、優勝の瞬間を見逃してしまったのです。残念!
次回は「ライバル対決」のお話です。




