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小学校の卒業文集
できあがったばかりの卒業文集を、小学校の校長先生が読んでいた。
あるページで手を止める。子どもたちの『将来の夢』が書いてあった。
そのページをしばらく眺めていて、校長先生は率直な感想を口にする。
「最近は減ってきたと思っていたけれど、この学年では、『プロ野球選手』になりたい子が多いんだね」
横にいた教頭先生が、にこやかに言う。
「それを書いたのがたまたま、プロ野球選手のみなさんが本校を訪れた日だったみたいで」
この小学校の近くには、プロ野球の本拠地球場がある。その関係で年に一回、地元球団の選手たちが本校を訪れて、生徒たちと親睦を図っているのだ。一緒に給食を食べたりする。
「で、午後の授業がちょうど、卒業文集だったみたいで」
「ああ、なるほど」
校長先生は納得した。
そして、ふと考える。
もしも、その日に来たのが『プロ野球選手』じゃなくて、たとえば『お笑い芸人』だったら・・・・・・。
次回は「色んなコレクター」が出てきます。




