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2話「アーサー王ボッチになる。そして検証する。」


ゲームの舞台となる私立常流聖学園。

古くからの歴史があり、過去の卒業生には様々な著名人を輩出してきた。

学校の設備、教育の質、環境、他大学や企業との連携などさまざまなモノに投資を行い、とても充実した学びの環境となっていた。

そのため必然的に学費は高くなるため、上流階級の子息などさまざまな金持ちが入学することが多い。高いと言っても一般的な私立に毛が生えた程度のため、普通の家庭の学生も多く見受けられた。


一応主人公の両親は海外で広く活躍する人のため、お金だけはあるのだ。

月に30万ほど毎月支給されるが、そもそもまさや自身ゲームクリアの報酬などに全くと言っていいほど手を付けていないため、お金は有り余っていた。

お金自体はアプリにため込むことができ、いつでも取り出すことができる。

彼自身は半分は銀行口座に、もう半分はアプリ内に収めていた。


そしてそんな一流の学園に転校した彼。

その整った容姿から、クラス全員から注目を浴びることになった。


そして転校初日から数日後……。



彼は机に突っ伏しており、誰も彼に声を掛けようとしていなかった。


はたから見れば友達作りに失敗してボッチになってしまった人に見えるが、実際はその逆であった。


彼が転校した初日、彼の噂は瞬く間に学校中に広がった。

そしてそんな彼を一目見ようとクラスの前の廊下には毎度のように人が押しかけ、アーサーの魅惑的な容姿にくぎ付けになっていた。

そして彼の机の周りには多くの人がおしかけ、休み時間のたびに彼を取り囲むように集まっていた。


そんな一般の人からするとうらやましいような光景だが、注目慣れされておらず、さらにコミュ障で引きこもりの彼にとっては地獄でしかなかった。

そして転校初日にも関わらず学園の女子たちから告白を受け、翌日には彼の下駄箱には戸を開けた途端あふれ出てくるほどのラブレターが詰まっていた。


もうこうなってくると彼の精神は崩壊寸前にまで行っていた。

そしてこんなに注目を浴びていた彼だが、なぜ現在注目を浴びなくなったかというと・・・


発動スキル:認識阻害_Lv.4


さすがにこんなに注目を浴びているとミッション攻略にも支障が出るし、なにより彼の精神がもたない。

そのため苦肉の策として共通スキルを使用して身を偽装することにした。


認識阻害とは、その名の通り相手の認識するという行為に対して抵抗を持つことである。

具体的に言えば、何気なしに街の大通りを歩いているとしよう。

自身が通りを歩いていると、ほかの人たちとすれ違うことになる。我々は自然とぶつからないように道を開けたりするだろう。

しかし自身には人が来ているということは認識していても、その人のことを頭にとめていることはまずないだろう。

いちいち道行く人たちを気にしていたらきりがないからである。


そう、彼はまさにそういった状態で、存在は認知されているものの彼にきをとめることはしない。

彼は俗にいう空気の人と化していた。


そうして彼に再び平穏が訪れ、この件に関しては解決をした。


そうしてここ数日間、彼は様々な検証をしていた。


まず、ステータスや使えるアイテムのチェック。


まず、頭の中でステータスボードを表示させるように念じると、目の前にステータスボードが現れる。わざわざ表示させなくとも起動アプリでステータスを確認できたりする。


ステータスボードでは、自分自身の能力値や、自身の所持スキルの確認、装備アイテムの確認、アイテムの確認や取り出し、お金の管理、などなど。

また起動アプリで行えることをコチラでもすることができる。


まず自分自身の能力値や所持スキルを確認した。



【近江まさや】


<基本限定能力値>※現在ロックされています


HP:12483622/12483622

攻撃力:8265523

守備力:7245286(物理防御:3622643_魔法防御力:3622643)

スピード:6092(戦闘力加算で補正×1000)

魔法力:11275432


<基本共通能力値>


MP:2045048/2045060


動体視力:SSS(戦闘力計算で1000000)

瞬間思考力:SSS(戦闘力計算で1000000)

筋肉量:SSS(戦闘力計算で1000000)

その他能力値の平均:SSS(戦闘力計算で1000000×23)

・▲詳細(23)


<自動限定スキル_装備スキル除く、>※現在ロックされています 


自動HP回復Lv.10 自動索敵Lv.10 自動防御結界展開Lv.10 自動アイテム探索Lv.10 etc......

・▲詳細(64)


<自動共通スキル_装備スキル除く>


病気、負傷耐性Lv.10 治癒力上昇Lv.10 疲弊耐性Lv.10 自動MP回復Lv.10 etc......

・▲詳細(42)



<限定スキル>※現在ロックされています このゲームで使用不可なスキルがあるためそれらは除外しています


神滅迎撃砲Lv.20 ヘムフレアLv.20 エンシェントダークホールLv.20 バックトゥネイチャーLv.20  etc.......

・▲詳細(1022)


<共通スキル>


認識阻害スキルLv.10 負傷治癒Lv.10 脚力増強Lv.10 威圧Lv.10 etc......

・▲詳細(132)



《装備中アイテム》


現在装備しているアイテムはありません



《限定アイテム一覧》※現在ロックされています このゲームで使用不可なアイテムがあるためそれらは除外します


神滅龍の眼帯(SSSSSR) 神滅の宝珠(SSSSSR) 神滅刀(SSSSR) 暗黒創造神の兜(SSSSR) etc......

・▲詳細



≪共通アイテム一覧≫


創造結晶(神滅龍の要塞)(SSSSSR) 神滅龍化の薬×10(SSSSR) 創造結晶(エデンの園)(SSSSR) 暗黒創造神化の秘薬×20(SSSSR) etc......

・▲詳細




簡単にステータスの説明をしよう。


能力値やスキルや装備には共通と限定の二種類があり、限定はゲーム内限定、それも一部のゲームにのみ適用されるものである。

共通は現実世界を含むほぼすべてのゲームに適用されるものであり、現実世界で流通しているアイテムはこれにあたる。それ以外にもジャンルごとに使えるアイテムも違う場合があるためよりより限定されたものもある。


自動スキルは文字通り常に発動するスキルで、MP消費がなく、発動のON/OFFも切り替えられる。

装備欄には装飾品などのアイテムを装備でき、その装備にかかっているスキルが使えるようになる。

しかし装備するとゴツゴツしてしまうためまさやは装備をしていない。



まさやはそのステータス欄を確認して、あることを思った。


(ロックされている…つまり、今後これらのステータスが適用される機会があるってことだよな……

完全に使えないものは蘇生系とかか…)


そう、全く使用する機会がない場合は、〔このゲームで使用不可なため表記を省略します〕と表記される。

しかしそうではなく〔現在ロックされています〕と表記されているということは、いずれ使用する機会があるということである。

恋愛ゲームであれど戦闘から逃れることはできないのである。


(今回のゲーム本当に恋愛ゲームか…?物騒すぎるだろ……)



そうしてスキルを確認し、いくつか共通スキルを発動させたりアイテムを取り出して使用してみたりといくつか検証したが、

特に気になった変化はなく気に留めることはなかった。


次はゲームの仕様について検証を行った。

仕様とは、俗にいう物理演算だったり、破壊不可能なものがあったりがないかなどの検証である。

ゲームによって物の動作やある行いに必要な過程が違ったりする。

例えば缶を蹴ったとして、現実世界と比べて缶の動作や飛距離などゲームによって様々に違いが生まれ、現実と同等であることはまずない。

料理であれば大概は自分で調理をして仕上げるものだが、ゲームによっては作りたいものを選択するだけでその料理を作成することができる。


そうして様々な実験をして、どのように動作をするかを検証することは、高難易度のゲームを攻略する際に非常に有効となる。

こういったことを知ることによって攻撃などの命中率、行動の簡略化、生存率の上昇につながる。


そしてこうした実験の結果、まさやはあることがわかった。


(現実世界とかなり相似している…というよりも全く一緒じゃないか…?)


彼はいくつものゲームエリアを攻略してきたため、ある程度の傾向や違いを感じ取ることができるようになっていた。そして初のSSSSS難易度やほとんどやってこなかった恋愛ゲームということもあり、今までのゲームとの相違は出てくるだろうとは想像していた。

しかし、結果は彼の想像を超えており、ここまで現実世界に酷似している仕様は彼の経験上では初であり、いっそ違和感しかなかった。


ちなみにゲームと現実の動作などが同じになることはないという点は実は今でも議論されている内容だった。これについてもいずれ話すが、どうしてかはいまだにはっきりとは分かっていない。


(正直ここまで一緒とは思わなかったぞ…これは少し気には留めておくべきか。)




こうしてそのあとも様々な検証を行っていった。





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