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吐出口  作者: 鈴木
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蚕 【虫】

 小学生の頃、授業の一環として教室で蚕を育てていた時期がある。

 各人一匹ではなく、クラス全体としてまとめて、だったと思う。

 虫籠ではなく、紙の箱に直接卵を入れて育てていた。

 それがある日、登校してみると、箱の上部、折り畳んで蓋になる部分が真っ黒になっているではないか。しかも、もぞもぞと蠢いている。そう、卵が一斉に孵って大量の幼虫達が這い出ていたのである(蚕=白いイメージだったので勘違いかとぐぐってみたら、生まれた直後は黒い毛に覆われているらしく、この記憶で正しい模様)。

 いや、もとより自明だっただろうに、何故、そんな無防備な状態で育てていたのか。嫌な記憶ほど残るものというか、蚕達の蠢動は鮮明に覚えている癖に、その状況に至った経緯はすっぽり抜けていて思い出せない。どうせなら蚕部分も再生不能になればいいのに、そういう記憶(もの)ほど意図せず不意に思い出してしまうのでしんどい。






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