表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吐出口  作者: 鈴木
93/5663

おすすめ

 私は他者(ひと)に何かを薦めるということをしない。

 相手の嗜好を事細かに把握して、最適なものを薦めるという高等技術がないからだ。


 学生の頃、知人に小説を薦めたことがある。

 薦めるくらいなので、私にとっては面白いと思える小説だった。

 だが、結果として相手から返ってきた感想は、


「つまらなかった」

「買うんじゃなかった」

「即行で売った」


だった。


 正直、自分の好きなものをディスられたことに対してはショックではなかった。

 人の薦めるものを受け入れられない経験は自分自身がよくしているので、しょうがないよなあ、と納得するのも容易かった。

 ただ、好みに合わないものを買わせてしまったのは罪悪感になった。

 薦められた物を買うのも読むのも相手が決めることなのだから気に病む必要はない、と慰めにもならないことを言う者もいたが、薦めた以上、やはり大なり小なり責任はあるだろう。

 自分の好悪だけで、相手の価値観に頓着せず軽率に何かを薦めるものじゃない、忖度出来ない人間が手を出していい領域じゃない、と痛感させられた。

 以来、本に限らず、食べ物でも道具でも方法でも、何かを人にすすめることはしていない。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ