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吐出口  作者: 鈴木
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でもこうだと突っ込んでいる人が全然いない……(気になる私がおかしいのか)。【本】

 「故事」と聞くと何となく「故事成語」に思考が直結して説k……教訓めいたイメージが強かったんだが、実際は「故事」だけだと単に昔あった出来事とかいわれでしかないんだな……と知った昨今。

 図書館で借りた本に、それ、詐欺指南じゃね?としか思えない話が故事扱いになっていてどうにも腑に落ちなくてぐぐった結果だ(嘆息)。

 なるほど、昔そういうことがあったというだけの話って言われればまあそうか。

 それに本当にあったことなわけはないだろうし。

 何しろとある虫の母子の血を塗った銭は引き離しても母→子銭の許へ戻ってくるという話だからだ。

 現実じゃあないよなあ。

 これの何が詐欺指南じゃ?てのは、要は母虫の血を塗った銭で買い物をすれば買った後に手元にある子虫の血付き銭のところへ戻って来る、つまり支払った金を取り戻せるってことで、これの何処が詐欺じゃないと?(じゃなかった、子→母銭もありだ、原典読むと。虫状態で子供を人間が連れ去ると何処までも母虫の方が子供の許へ飛んでくるという一方通行なのに銭に血を塗った途端双方向になるというご都合仕様)

 こうすれば永遠に銭を失うことはないとまで言っちゃってるんだから詐欺指南だろう。

 そんな話の何処に教訓……と首を傾げたんだが、故事がただ昔あった話というだけならまあそうなのかなと納得したというか。

 それにこの話、どうも出典の解釈の仕方で詐欺指南とも言えないとぐぐって分かった。

 読む人次第?

 この話の、使った銭がどのタイミングで戻ってくるかで、ただの困った仕様だと言いたいのか詐欺出来ると言いたいのかが微妙?

 出典の『捜神記』をそのまま現代語訳すると、単に母虫の血銭を使っても子虫の血銭を使っても使った人間の手元にある血銭のところに戻ってくる、を繰り返し終わることがない、と書かれているだけらしいのだ。

 支払ったそばから直ぐに戻ってきてしまうのなら詐欺のしようがなくただの困った銭でしかない。

 本の作者は銭が戻るタイミングを売買成立させて相手の許から去った後を想定しているようだった。なので「金銭が尽きることがない」とか「永遠にお金を失うことはない」の詐欺指南な言葉が逸話の最後に付け加えられている? それとも「金銭が尽きることがない」まで含めた故事が生まれたと言うくらいだからこの作者(と訳者。いや、訳注だから訳者のほうだけ?)の解釈が主流?



 最後に「生まれた」という四字熟語な故事の方でぐぐったら、『捜神記』じゃなくて『淮南萬畢術』というものの訳が出て来た。で、これの現代語訳でも "(使用したお金が)自然と手元に戻ってくる" で、タイミングが微妙。

 ただ、まあ、私の頭が(よこしま)なのか、やっぱり本の作者だか訳者だかと同様、きっちり何かを買った後に銭を取り戻している詐欺指南に思える……。

 もっとも指南したところでこんなご都合虫は存在しないわけで、害はないっちゃないが。

 あと、銭に血を塗った途端双方向にってのの(わけ)がこっちに書かれていた。ひと手間掛けてそうなるらしい。








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