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吐出口  作者: 鈴木
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「残念でした」

 病院の受け付け時に割り込みをされた。


 他の患者や職員の通行の邪魔になるからと、受け付け中の前の人から少し距離を空けて待っていたら、その隙間に堂々と入り込んできた中年の女がいた。

 あんたの為に空けてたんじゃない、と絶句していると、割り込みを誤魔化すかのように周囲の人間と騒々しくだべり始め、そのまま流れるように受け付けをしてしまう。一部始終を見ていた受け付けの職員も、患者同士のことは当事者だけでどうにかしてくれとばかりに一瞬、こちらへ視線をよこしただけでしれっと無視。

 ここまでの成り行きも腹立たしいが、怒りを飲み込んで順番を待っていると、割り込み女と私との間を通り過ぎた見知らぬ壮年の男が、擦れ違いざま、嘲笑うかのように「残念でした」と一言投げ捨てていってくれた。

(はあ!?)

 なんで割り込まれた(わたし)がディスられなければならないんだ。あっさり割り込まれて文句も言えない情けない奴って? それともこいつら全員、グルなわけ?

 そのセリフは同じ場にいた他の患者にもしっかり聞こえていたのだろう、直後、哀れみの視線の集中砲火を浴び、一刻も早く立ち去りたくて仕方がなかった。だが、受け付け職員はやたらと脱線して他事を同時進行し、中々割り込み女の受け付けが終わらない。その間、割り込み女はご機嫌で他の患者と雑談。いい加減にして欲しかった。







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