クラクション
私は車を運転するようになってから、まともにクラクションを鳴らしたことがない。
何故かというと、逆ギレが怖いからだ。
事故防止の為の注意喚起で鳴らした方が良いのだろうなあと思う状況に遭ったことはそれなりにあるが、やはり鳴らせない。そういう時は過剰なくらい徐行したり、停止したりする。まあ、これも後続車がいない時にしか出来ないのだが。後ろがいる時にやろうものならこっちがクラクションを鳴らされる。
そういえば、赤で信号待ちをしている時、青になっても前の車が直ぐには発車しようとせず、大した時間でもないのでのんびり待っていたら、後ろの車が盛大にクラクションを鳴らしてくれた。前の車からすると私が鳴らしたことになっているのだろうかと、何だかイヤな気分になった。直ぐに発車しないといっても数秒のことじゃないか。
私が現在住んでいる町の住人はせっかちな人が多い気がする。オレンジラインの追い越し禁止道路でも平気で追い越していく車が多いし、横断歩道を渡っている人がいるからと、手前で待っていればやっぱり後ろからクラクションを鳴らされる。
何年か前、追い越し禁止道路で二台抜き逆走をする車に正面からつっこまれそうになったことがあったが、その車は正規ルートを走っているこっちが邪魔だと言わんばかりに、クラクションを鳴らしっぱなしにしながらつっこんできてくれたな。怖かった。
二台抜きは私の運転する車が抜かれる車の一台になったこともある。それも追い越し禁止の道路でのことだった。対向車に道を譲れとばかりに突っ込んでいっていた。この手の話をすると、ちんたら走っている方が悪い、追い越しを誘発させている、とこっちが責められるが、法定速度を守ることはそんなに悪い事か? 法定速度を下限速度だと断言して憚らない人間もいたな(高速道路じゃないんだが)。
路上以外では、以前向かいの家のどれかに住んでいた住人が、止めてある車のクラクションを延々鳴らし続けるという迷惑行為を度々してくれていたが、当然(?)ながら逆ギレが怖くて苦情は言えなかった。




