猫
独断と偏見を承知で言うなら、猫は野良よりもペットの方が質が悪い気がする。
まだ母が生きていた頃、母が大事に手入れしていた庭を荒らすのは、いつも裏の家で放し飼いにされていたペットの猫だった。
糞をまき散らす、花を踏み荒らす、庭木に爪を立てる(庭以外でも玄関や裏戸が少しでも開いていると、入り込んで室内を荒らすのはいつでもペットの猫だった)。
現行犯で何度も追い払ったらしい。
そしてこの手のペットの猫の飼い主も判で押したように問題がある。
一応苦情を言ったらしいが、相手から返ってきたのは事態改善でも謝罪でもなく、「猫はそういう生き物なのだから(ペットの猫も飼い主の自分も)悪くない」。
ペットの猫にも野良猫にも色々おり、一概に決められないことは分かっているが、当時の母親の嘆きを思い返すと、どうしても放し飼いにされているペット猫とその飼い主には良い印象を抱けない。
現在暮らしている家の周囲には野良猫が数匹いるものの、今のところ家族が手入れしている庭に悪さをされたことはない。ときどきしれっとした顔で庭を悠然と横切っていくことはあるが、立ち止まることなく通過して行くだけである。
まあ、発情期の昼夜問わずの大合唱は勘弁してほしいが。




