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吐出口  作者: 鈴木
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のど

 昔、液体が飲み込めなくなるという困った症状に悩まされたことがあった。

 加齢とともに嚥下する力が落ちて食べ物を飲み込みにくくなったり、痰が絡みやすくなるとは言うが、あれは何歳くらいからなのだろう―――ともあれ、どうもそれとは違うようで、そもそも固形物は症状が出始めた頃はまだ普通に飲み込めた。痰も絡んではいない。飲み込めないのは液体全般、唾は勿論、ただの水でさえ喉に絡んで上手く飲み込めなかった。

 全部が全部ではないが、何割りかは必ず喉の途中で詰まり、ちょっと喉を動かしたり咳をするだけで口内へ戻ってくる。

 安静にしていても詰まっているから息苦しく気持ち悪い。

 どうにもならないと耳鼻科にかかってみたが、喉へカメラを通して診てもらっても異常なし。喉に薬剤?を吹き付ける治療を一応受けてみたものの効果なし。

 症状は悪化する一方で、今度は少し大きい病院で胃カメラのついでに喉も診てもらったがやはり異常なし。風邪ですらない。

 とうとう固形物も飲み込むのが困難になった時点で、紹介状を書いてもらって大学病院にかかってみたら……当の大学病院の別の科で出してもらっているアレルギーの薬の副作用ではないか、という可能性が漸く提示された。

 その科ではそんな副作用があるなどという話はついぞ出たことがなく、寝耳に水だった。薬を処方される時に添付されている説明書にも書かれていたことがない。

 しかし、耳鼻咽喉科の医師のその診断は大当たり、その薬を止めて暫くしたら、嘘のように喉の異常は治まった。


 薬の副作用は実に怖いものだと痛感させられた。

 何が怖いって、周知される副作用(もの)だけに限らないということを、失念しがちだからだ。患者だけでなく医療関係者も。

 その種類や症例の膨大さを思えば全てを把握、周知出来るわけもない現実も怖い。

 だからといって薬は毒だ!と忌避するつもりはないが(前に書いた風邪薬も結局、時々飲んでいる。万万が一にも死ぬ可能性があるからと嘔吐感を伴ういつ終わるとも知れない頭痛をひたすら我慢し続けるのと、万万万が一があっても仕方がないとリスク承知で飲んで頭痛から解放されるのと、どちらを選ぶかといえば……頭が割れるように痛くて僅かにも動かせず吐けもしないのに延々吐き気だけが継続する状況にでもなれば後者を選ぶわな)。

 散々お世話になってきたし、これからもなっていくだろうから。





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