なんということもない話
車の後ろに収納されているスペアタイヤの下に水が溜まっている。
冬の始め、スタッドレスタイヤに交換してくれた家族が、ついでに車の点検をしてくれたのだが、その時に注意された。見てみれば確かにタイヤすれすれまで水が溜まっている。
この時は、数日前に猛雨があって、冠水した道路を突っ切った際に下から入り込んだのだろうと気にせず拭き取っただけで済ませた。
ところが春先になって、スタッドレスを普通タイヤへ戻してもらった時に、またしても水が溜まっていると言われた。今度は冠水道を通った覚えはなく、流石に何処か上部から水が浸入しているのではとの疑問が湧いた。
家族も放っておくと内部が錆びて使い物にならなくなると警告してきたので、早速ディーラーへ電話して予約を取り、点検をしてもらった。……のだが、どれだけ水をかけても水漏れしてこないという。雨と何が違うのか? 量? 角度? 整備をしてくれた人はいっそ水が溜まった状態で持ち込まれた方が浸入場所を特定し易いと言う。入り込んだ直後なら、内部も濡れているだろうからと。
しかし、そうそう都合良く雨は降ってくれない。
結局、雨待ちでこの日は何をしようもなくそのまま帰宅(この際、以前に家族から指摘されながら、修理しなくともさほど不都合はないと言われていたアームのブッシュに罅が入っているという私にはよく分からない話もして見てもらったところ、特に罅はないと言う。どうも少し前にリコールでごっそりと何やら交換された時、一緒にその部分も交換されていたらしい。これは実に幸運だった。出費は少ない方がいい。リコール前に交換していたらそれなりの費用が掛かっただろうから。無精もたまには好転となるらしい)。
それから九日後。待望(?)の雨が降り、やっぱりスペアタイヤの下に水が溜まるも、ディーラーの整備予約がいっぱいで見てもらえない――――かと思いきや、珍しく来店者が一人もいないらしく、問い合わせた当日に即行で見てもらえた。後日では、折角、濡れたままにしてある自動車内部も乾いてしまうのではないかと危惧しただけにタイミングが良かった。
浸入箇所もどうにか特定出来たようで(屋根の縁?)、修理完了は翌夕となり、それまでは代車を借りた。
やはりというか、修理代は万近くになり、ブッシュの罅は放置しておいて良かったと改めて思った。