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吐出口  作者: 鈴木
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アルバム

 私は大学の卒業アルバムを購入しなかった。

 そう、購入。自腹だ。万単位の不要物に払う金銭的余裕はなかったのだ――というのが理由の一つ。

 親が金を出してくれなかった、ではない。親は好きにすればいいと言ってくれた。

 アルバムを購入させようと、私の翻意に執着したのは大学の事務員と教授だ。余程珍しかったらしく、私だけだと言われた。そんな奇特奇矯な選択をする人間は? そこまでは言葉にされなかったが、呆れた顔がそう言っているように見えた(被害妄想)。

 そもそも、大学生活に記録を残したくなるような思い出もなく、そちらの意味でも不要だった。

 ほぼ強制の小・中・高のアルバムも疾うに処分している。

 根本的に私は写真が嫌いなのだ。それが三つ目の理由。

 魂を取られるとかの宗教的な理由ではない。単に自分の顔、体、姿が嫌いなだけだ。過去の自分など眺めても不快になれど嬉しいとも懐かしいとも思わない。二度と見たくない。なので卒業アルバムは勿論、まだそう思うようになる前に撮った、或は不本意に押し付けられた自分の写真は全て処分した。



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