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吐出口  作者: 鈴木
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だらだら

 買い物から帰ってくると、隣家の面している道路の端で、白黒半々の野良猫がぺったりと溶けていた。

 気温はそこまで高くないので、湿気に参っているのだろうか。

 乾いたコンクリートの上で横向きに寝そべり、溶けたスライスチーズのようにぺたーっと手足を広げ、毛皮も真っ平らにして、どうにも無防備にだれていた。

 いつもは私が車を家の前へ入れると、その辺りで寝ていても即座に飛び起きるのだが、今日は知らんぷり。ちょっと危機感がない。慣れなのか、それ程、だるいのか。

 道路の少し先の木陰では、メタリックグレー(ただの灰色なのだろうが、光の加減で光沢があるように見える時がある)の野良猫が、対照的にすっくと背中の伸びた姿勢で鎮座しており、車から下りてフェンス越しに近付く私を認めると、人間が来たからもう行くぞーとでも言うように、にゃあぁにゃあぁと少しだけ鳴いた。

 けれど、熔解中の猫はぴくりともしない。

 これは大丈夫なのか?という懸念は、私がフェンスに達した時点でむっくりと実にメンドクサソウに起き上がったことで杞憂だったと分かるが、再度グレーの猫がにゃあと誘うように鳴いても、そちらを見るだけで依然、動こうとはしない。

 処置なしと諦めたのか、グレーの猫がたったかと走り去ってしまって、いいほど経ってから、先ほどまでのだるだる具合は何だったのかという軽やかな足取りで、黒白猫も後を追うように走っていった。






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