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吐出口  作者: 鈴木
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バイト

 学生時代にバイトをしていた書店で、店の社長母(当時は「大○さん」とみな呼んでいた。この「奥○ん」も今は差別語になるらしい)が万引きをした子供を店頭で叱ったことがあった。

 近くにその子供の母親がおり、すぐさま駆けつけて言った言葉が「こんな人前で子供を叱るなんて可哀想じゃない」だった。

 社長母も私も一緒に働いていたもう一人のバイトも呆気に取られたのは言うまでもない。

 窃盗犯(はんざいしゃ)に気を遣え? 子供のやったことに目くじらを立てるな?(年間の総被害額が一番大きいのは詐欺でも横領でもなく万引きだ、とかなんとかテレビで言っていたような――推定で) その子供の監督責任?教育責任?がある親がそれを言うか?

 まあ、人権意識の高い昨今は、万引き犯が何歳だろうと店の奥へ連れて行ってから色々追及するのが当たり前のようだから、この母親は世相を先取っていたとも言えるのかもしれない―――なわけない。ただのモンペだ(対学校ではないが似たようなもの)。

 その後も、「たかが万引きくらいで」や「金を払えばいいんでしょ、払えば」などの定番な悪態はつけど、とうとう謝罪の言葉は一言も口にしなかった。万引きした子供も言わずもがなだ。あの親にしてこの子あり、の典型。

 万引きではないが、書店を遊び場と勘違いしている母親が幼児を野放しにして、絵本とかを好き放題に破損させても弁償をしない、寧ろ "客" の自由に出来る見本を置いておかない方がおかしい、な態でいることもよくあった。そういえば何年か前に、コンビニの雑誌をただで読ませろ、読ませないのはおかしい的なことを吠えていた人間がいたっけ。雑誌が縛ってあって読めない云々? これもバイト先でよくあった。縛ってある紐を勝手に解いたり、被せてあるビニールを破いたりして立ち読みをする。

 破損では、雑誌に印刷されている応募券だけを切り取って持ち去られることもよくあった。

 本そのものを盗まれなくても、もはや売り物にならないからこれも損害だ。

 書店の万引き倒産は、万引きだけが原因でもない気がする(現代(いま)の雑誌は応募券が印刷されていることはないのかもしれないが、盗む人間が切り取るのは応募券だけではないからな……)。










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