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吐出口  作者: 鈴木
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靴底 【虫】

 最初は糸くずだと思った。もしくは毛玉?

 靴底にあったそれは、黒くて小さくぱっと見には毛羽立っているように思えた。

 見た目通りの毛であれば構わずそのまま履くこともあるが、今日は何となく気になって、とりあえず引っ繰り返して一振りしてみた。

 糸くずの類いであれば落ちるだろう。

 ……という楽観は裏切られた。

 表に戻して靴底を見下ろしてみればまだある。

 おかしい、と思いつつも再度返して振る。

 それでもまだ落ちない。

 ――と訝しむ私の視線の先で、その毛くずが突然動いた。靴の底を踵側から足先へ向けて走ったのだ。

 えええ?と今度は顔を近付けてよくよく見てみれば、くずだと思ったものは数ミリしかない小さな蜘蛛だった。

 糸を張っているのか、蜘蛛の足は靴底の繊維に引っ掛かり易いのか、軽く振るだけでは一向に出ていってくれない。

 だからといって摘み出すのは勘弁。小さ過ぎて確実に潰してしまう。

 乱暴だが、少々勢いをつけて強く振って、やっと放逐。玄関床へ落ちた蜘蛛は開いていた扉を抜けてあっという間にいなくなった。


 元々、虫の多さから靴を履く時は必ず中を確認するように習慣付けてはいたが、本当に入り込んでいたとは。






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