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星の王子さま

GWは10日毎日投稿をしてました。

読んでくれた方、ブクマや評価をくださった方、本当にありがとうございました。

 邪眼は死角からナターリアに攻撃されると、身体を無数の蝙蝠に変えて、後方へ回避した。


「《ヒール》」

 サトゥーはガグに投げ飛ばされたリザの傷を癒す。リザは立ち上がると素早く弓を構え、連射する。一見適当な方向に放たれたものにみえたが、邪眼に数本の矢が刺さる。


 ガグ2体がナターリアに襲い掛かる。ナターリアは2体の攻撃をするすると回避する。ガグは必死になって棍棒を振り回すが、それぞれの攻撃が当たってしまいよろける。

 その隙を見て、ナターリアは腰の銀獅子を引き抜くと攻撃した。


 ヒュンヒュン。


 素早い剣撃がガグの身体に深い傷を負わせる。


「《クイック・ヒール》」

 邪眼がガグに止血をする。


「ウウウ!」

 ガグが興奮の叫びをあげる。4本の腕に持った棍棒を全てナターリアに投げつけるが、それはギリギリのところでヒットしない。

 手ぶらになった4本の腕を地面につけ、ガグがなにか意味の分からない言葉を叫ぶ。地面に魔法陣ができると、サトゥーのほうへ向かって亀裂が走る。が、サトゥーの2m前に来た時、何かの壁があるかのように亀裂は止まる。亀裂から電撃のようなものが飛び出るも、ナターリアは何とかそれを回避した。


「ウウウア!」

 ガグの一体がナターリアの真後ろから棍棒を振り下ろす。が、邪眼に攻撃を加えようと立ち上がったナターリアが偶々それを交わす。リザが邪眼に放った矢が逸れ、ガグの4本の目玉にブスリと刺さった。ガグは目から血を流しながら叫ぶ。


「せりゃぁ!」

 ナターリアが邪眼に銀獅子を振るう。邪眼は紅桜を具現化し、その攻撃を受け止める。

 刀と剣が押し合う。邪眼は力で勝てないことを悟ると、刀で剣を流す。銀獅子は邪眼の左肩を切った。血が飛ぶ。だが、それが邪眼の狙いだった。


「《ブラッド・アロー》」

 宙に舞った血が突然鋭い矢のような形になると、ナターリアに向かって飛んでいく。が、そのほとんどが別の方向に飛んでいく。

「魔法?」

 強風が、その軌道をずらしたのだ。かろうじて2本があたるもそれはかすり傷に過ぎない。


「ナターリア! 回避しろ!」

 サトゥーがダイナマイトを二人に向かって投げる。ナターリアは回避し、邪眼も続いて回避する。回避しながら邪眼がダイナマイトを確認する。ダイナマイトは2つあった。


 一つ目のダイナマイトが二人が元居た地点に落ち、爆発した。


 バーン!


 もう一つのダイナマイトはあたかも邪眼の回避する方向がわかっていたかのような軌道を描いて、邪眼の目の前に落ちた。


 バーン!


 邪眼は翼を広げて、後方に素早くジャンプ回避をするが、被爆してしまう。ダメージは大きい。邪眼を追撃するようにリゼが矢を放つ。4本の矢が邪眼にささる。それを確認してリゼは普段よりも大きく弦を引き絞り、矢を放った。強烈な矢が邪眼に向かって放たれる。



「ウウウ!」

 目の見えるガグが邪眼の前に突如現れ攻撃をかばう。致命傷だった。

 ガグの息が弱々しくなる。ガグは死にそうになっている。

「すみまない」

 邪眼は紅桜で背後からガグを思いっきり突き刺した。邪眼の一撃により、ガグは息絶える。流れた大量の血が紅桜に纏う。

 ガグの陰から邪眼が飛び出る。そして大きく横に刀を振った。血の斬撃がサトゥーたちに向かっていく。


「【山月記】」

 リザが虎の波動を作る。虎の波動と血の斬撃がぶつかる。

 だが血の斬撃は幻影の虎をかき消しながら、その威力を保ったまま3人の下に襲い掛かる。


 リザとナターリアはとっさに近くにいたガグの背後に隠れたが、斬撃はガグの胴と脚を切り離し直進すると、背後にいた二人に襲い掛かった。二人には傷ができる。

 サトゥーは盾を構えるとその全ての攻撃を防いだ・


「《フラッシュ》」

 邪眼が上空高くに浮遊させた紅玉から魔法を発動させる。合図をみたカインズが大蛇の陰から出てくる。


「『早すぎた埋葬』」

 カインズがスキルを発動する。赤色の魂のようなものが2体のガグの身体に入り込むと、ガグたちは再び蘇った。目は赤く輝いている。


 バン!バン!バン!バン!バン!


 カインズは魔導銃をリザに向かて放つ。だが、弾は当たらない。


「《ダークホール》」

 カインズが再び魔法を使う。


「ナターリア、リザ。俺の下へ集まれ。かたまっていれば奴らは攻撃をしてこない!」

 サトゥーは指示を出す。先ほど成功した動きをわざわざ変える必要はない。


「《リトルサイレント・ワールド》」

 カインズが同じように魔法をかける。


 サトゥーたち3人は闇と音のない世界に包まれている。時間は確保できていたはずだった。


 ヒュン。


 嗅覚を頼りに放ったリザの矢がカインズに当たる。


 ヒュン。ヒュン。ヒュン。


 続いて3本の矢がカインズに刺さる。


「《《ジオ・デュラムマジック・ナチュラルディザスター》」

 カインズが自身と邪眼を囲うようにして巨大なドームを作る。


「これで邪魔はなくなった。みゆり、状況はどうだ?」


「かなり厳しい戦いをしています」


「相手は強いのか?」


「いいえ。強くはありません。しかし、勝てません」


「原因はわかるのか?」


「わかりません。ですが予想はできます」


「話してくれ」


「彼らは未来を予測できるのかもしれません」


「具体例をあげてくれ」


「はい。例えばあの夜叉の女はガグの攻撃のモーションが始まる前にそのことがわかってたかのような動きで回避したり、あの虎の女は私の死角からの攻撃に関わらずそれを避けたり。サトゥーは私が回避する方向を知っていたかのように私に爆発物を投擲しました」


「なるほどな。良い考察だ。だが、俺の意見は少し違う。お前のその考えを聞いた上で俺は一つの確信を得た」


 カインズは一息ついてこう言った。


「奴のギフトは、運を操作する能力だ!」



 ピキピキ。


 土の壁に隙間が生まれ、月明かりがほんのりと差し込む。


 ズザ!


 土の壁が完全に消え。一頭の虎の幻影がカインズ達に襲い掛かって来た。邪眼は紅桜で虎で一刀両断する。


 闇の霧はまだサトゥーたちを包んでいた。


「奴らは俺たちの位置がわかって攻撃しているわけではない。攻撃をした方向が偶々俺たちのいる位置なんだ」

 カインズがそう言う。


 邪眼の頭の中でもその意味を考える。

 どうして自分の攻撃が当たらないのか、回避されたのか。どうして放たれた矢は命中するのか。どうして自分の方向にダイナマイトは飛んできたのか。

 全ては相手の運がよかったから。そう考えれば辻褄があう。



「みゆり。もう少しの辛抱だ。どうにか時間を稼いでくれ」

 カインズはそう言って再び大蛇の後ろに隠れた。



 ***


「須磨太郎様。相手にこちらの手の内がばれたようです」

 聴覚が向上しているリザはカインズが答えに辿り着いたことをサトゥーに伝える。



「そうか。だが、今更もう遅い。俺の【星の王子さま】は既に完成している」


明日から更新頻度は少し落ちます。週3以上は更新しようとは思っています。


少しずつ評価されているのを見てモチベーションを保っていました。本当にありがとうございました!

GWが終わってもよろしくお願いします!!

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