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星辰の正しき時ー5 ハスター降臨

明日更新する次回は主人公無双回です。

この回だけはどうか彼らを許してください。

 鬼の集落を護衛していた大河と文香はそのままそこにいた。

 鬼たちが避難している場所にはすでに文香が 《ジオ・デュラムマジック・ナチュラルディザスター・ネオ》を使用し建てたシュエルターがあった。


 空から2体のビヤーキーが飛んできた。



「なんだこいつは?」

 大河は魔導銃を引き抜く。


「敵みたいね」

 文香も杖を構える。



「撃つ」


 バン! バン!


 大河の放った魔導銃が2体のビヤーキーの顔面にヒットする。

 ビヤーキーたちの羽は力を失って止まり、ビヤーキーは墜落した。


「こいつらは何なんだろう?」

 大河は死体に駆け寄り調べる。


「こんな魔物がいるとは聞いてないわ」


 大河はその死体を一緒に護衛した鬼に見せる。

 鬼たちも知らなかった。


「『魔の山』」

 大河がスキルを発動する。


 しばらく大河は目をつぶり何か考えるようなそぶりをしたあと口を開いた。


「こいつらがビヤーキーらしい」


「黄色印の兄弟団が隠していたのかしら?」


「いや、召喚したんだろう」



 二人が話していると、目の前に謎の女が現れた。

 女はこの世の者とは思えないほど美しく、大河も文香も女から視線を動かすことができない。


「誰?」

 文香がかろうじて声を発する。


 大河が楕円形の魔導銃に手を掛け、腰の元で標準を定める。


 大河が引き金を引こうとした瞬間、女は不敵に笑うと、二人に触れた。

 すると、次の瞬間に二人はラプト村へと飛ばされていた。



 ***



 ラプト村では村の中央に鬼の大量の死体がVブイ字に並んでいた。

 その中央にはゼルダとフランシスがいて、村を大きく囲うようにして信者が呪文を唱えていた。


 ゼルダとフランシスが大河と文香に気が付く。


「あら、お二人も来てたんですね。準備はもうそろっています。ハスター様が降臨なされるのです」


 ゼルダは狂ったような高笑いを浮かべる。


「あの当然現れた女は何だったのかしら?」

 文香が小声で大河に囁く。


「それも気になるが今は目の前のことに集中したい」


 大河は魔導銃を構えて言う。

「もうこんなことはやめにしないか?」


「やめる? 何を言ってるんですか?」

 フランシスはナイフを取り出すと、それをゼルダに渡した。


「ここで私がフランシスを殺せばそれで夢が叶うの。もう誰にも邪魔はできない」


「動くな。これは命令だ」

 フランシスの動きが完全に停止する。しかし、ゼルダはまだ動く。


「なぜだ? 『時計仕掛けのオレンジ』はまだ解除していないはずだ」


「どんな小細工をしたかわかりませんが、無駄です。もうチェックメイトなんですよ。私を殺したところでフランシスは自動的に死にます。ならばせめて私の手でフランシスを殺させてください」


「『時計仕掛けのオレンジ』」

 大河はゼルダに向けてスキルを放つ。

 しかし、放たれた弾は空中で消え、ゼルダには届かない。


 ゼルダは詠唱を始める。



「アーモンド、暴風、黄金の蜂蜜」


 大河は引き金を引く。放たれた弾は届かない。


「アルデバラン、星辰の正しき時は今ここに」


 文香が魔法を放つ。しかし、それもかき消される。


「従者たる我が身は既に黄色に染まり、器たるこの身は黄衣をその身に」


 大河と文香はゼルダとフランシスの元に駆け寄ろうとする。しかし、足が動かない。


「あぁハスター。偉大なるハスター様。今こそこの世においでください」


 ゼルダがフランシスに抱きつき、そのままナイフをフランシスの背中に突き立てる。


「イア イア ハスター! ハスター クフヤアク ブルクトム ブグドラクルン ブルグトム アイ アイ ハスター!!」



 ズドン!



 稲妻がフランシスとゼルダに直撃する。

 フランシスの身体は黒く変色し、溶けていく。

 鬼の死体もドロドロと黒く変色し、フランシスの元へ集まっていく。


 何人かの信者が、溶けた鬼の液体に駆け寄る。駆け寄った信者も同じように溶けていき、黒い液体となり、フランシスの元へ集まっていった。

 フランシスの身体が膨張する。しかし、彼の着ていた黄色の衣はちぎれない。何度かフランシスの身体が蠢いたあと、徐々に人の形が形成されていく。


 フランシス、いやフランシスだったものが、ゆっくりと起き上がる。

 身長は2m以上ある。フードをしていて、顔は深淵がのぞいていた。

 黄色の服の下には灰色の身体があった。タコの足のようなものが下半身を支え、袖からは触手の腕が伸びていた。腕の先には細長い指のある手がみえる。


 ゼルダはひざまずいて答える。


「ハスター様」


 信者たちは全員歓喜の声をあげ、何かを叫んでいる。



大河と文香はハスターの姿を見てそのただならぬ恐怖に戦慄した。


「文香、あれはこの世界にあってはならない存在だ。一度戻りたい」


「許可します」


 大河は自らの頭に魔導銃を当て引き金を当てる。

 しかし引き金を引こうとした瞬間、大河は眠りに落ちてしまう。


 1秒後大河は目覚める。


「何をされた? まずい、眠らせられた!」

 大河は目の前に現れたスキル欄から自分自身が何者かに眠らされたことに気が付く。



 ハスターは黄色の衣からでる灰色の触手の1本を空かかげる。

 すると彼方より、ビヤーキーが50体やってくる。

 ハスターはゼルダの元に触手を伸ばし、ゼルダを包む。

 ビヤーキーたちは信者を掴むと、空に上がった。

 グレーテルは危険を察知し、直ぐに村から離れた。


 ハスターはゆっくりと浮遊すると、ビヤーキーたちを引き連れ、彼方へと飛んで行った。

明日は主人公無双回かつ3章最終回です。


3章終了後、3.5章ではスキルやキャラクターなどの補足説明、4章への予備知識などの紹介をしたいと思います。


4章では話が更に群像劇ぽくなります。また、転生者同士の戦いが多いので見どころは沢山あるかと思います。期待していてください。

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