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周辺諸国の問題とカインズとの対話

新作の投稿はじめました! よろしければこちらもお願いします!


『IQ250の天才詐欺師が、異世界転生者から【最強の武器と能力】を奪い取り、家族の復讐を果たすために、世界の全てを欺く物語』


https://ncode.syosetu.com/n9099fr/  (8/18追記)










3章の始まりです!


今まで張ってきた伏線も回収してきつつ、話をいっきに広げていきたいと思います。


国VS国、部族VS部族 などがメインです。政治的要素とかも絡んできます!


若干群像劇ぽくなる部分もあると思いますが、基本的に主人公視点で行きたいと思います。


 俺と文香が新たな王になってから3日が過ぎた。

 まず俺は、楓さん、紅葉ちゃんを含めた2代目の時代に空孤だったものを元の地位に戻し、朱莉さんと皐月さんを気孤に昇格させた。


 楓さんたちはしばらくは冒険者業を休み、国のために尽くしてくれると言ってくれた。俺は楓さんに改まった喋り方をやめてほしいと頼んだが、楓さんはこれが伝統だからと言ってそれを拒んだ。

 そのうえ、俺と文香は国を治める者として楓さん達に敬語を使うのをやめてほしいとさえ言われてしまった。最初は気が乗らなかったが、文香の国を治める者が伝統に則らないのはどうかと思うという趣旨の説得を受け、しぶしぶそれを受け入れることにした。



 内政は特に問題がなかったが、外交は骨が折れる作業だった。

 ヘルヘイム帝国となろう王国の間で上手く立ち回るだけでなく、周辺諸国との対立に関してもバランスをとっていた。外からの動きはまだない。どの国も嘘松王国の動向をひとまず見守っているらしい。

 周辺諸国の問題で一番厄介だったのはトルキン公国との領土問題だった。



 トルキン公国はドメル平野を挟んだ先の国で、オークの国だ。

 もともと嘘松王国の領地はだれのものでもなかったものだったが、前の時代の国王イヴァノヴィチ = コロフキンが突如土地の権利を主張し始めたことを原因に2代目天狐の時代にトルキン公国と嘘松王国で戦争が勃発した。結果は嘘松王国の勝利で終わった。2代目天狐はオークたちを滅ぼすようなことはせず、コロフキンの首をもって戦争を終わらせることにした。

 その時代のいざこざが今なお残っており、オークは妖狐に対して恨みを抱いている。その戦争以来、嘘松王国は周辺を壁で覆い、中には妖狐以外の者が入れないようにした。十六夜陽菜が天狐になるまではコロフキンの弟が公国を治めていた。しかし、その能力は高くなく、内輪もめを起こし、すぐに暗殺されてしまった。

 十六夜陽菜が2代目を倒し、3代目天狐として国を継いだのとほぼ同時期にトルキン公国ではコロフキンの5人の子供のうち、長男のイヴァノヴィチ = ヴェデルニコフが王になった。ヴェデルニコフは嘘松王国に対して直接的な動きはしなかった。十六夜天狐の力があまりにも強大すぎて手が出せなかったらしい。

 嘘松王国に対して行動はなかったものの、それ以外の国に対する動きは活発だった。ヴェデルニコフは外交が上手かった。嘘松王国と同じように中立を宣言しながらも、ヘルヘイム帝国との交易を強化しつつ、なろう王国と軍事同盟まで結んだ。つい最近には今まで対立していた人間の隣国と同盟を結んだ。




 俺と文香が天狐になってから1週間後、トルキン公国から嘘松王国に宣戦布告がなされた。

 まともな制度が確立されていないこの世界で宣戦布告をすることはほとんど意味がない。あくまでそれは形式的なものであり、統治後の言い訳にするためのものだった。

 宣戦布告に対して、一人目の転生者を殺したことにより得た新たな10のスキルを俺が使えばトルキン公国を簡単に崩壊させることができる。しかし、それをするのはいい選択ではない。もしそれをしてしまったら、なろう王国に嘘松王国侵略の口実を与えてしまうことになるからだ。

 俺は文香と今回の件について議論を交わしていた。


「どうしてトルキン公国は戦争の話を持ち掛けてきたのかしら?」


「それは俺も気になっている。論理的に考えるならばこの戦争をすることによる相手の国へのメリットはない。国の内部が荒れていて国民のコントロールをするために戦争を起こしたいという可能性が一番高いように思える」


「私たちがとれる対処としては直接話し合いの場を設けることよね」


「そうだな。最悪の場合『時計仕掛けのオレンジ』を使ってもいいと思う。俺としてはそういう手荒な真似はしたくないんだが、国民の安全が大優先だ。そのためには悪にも手を染めよう」


「あなたもだんだん天狐が身についてきたんじゃない?」


「文香ほどではないよ。文香の方が視野が広いし、内政に関しては本当に完璧な仕事をしてくれていると思う」


 コンコン。


 ドアがノックされる。俺は入っていいと声をかける。


「失礼します」


 入ってきたのは楓だった。

「お取込みの最中にすみません」


「構わない。何かあったのか?」


「ヘルヘイム帝国からメッセージが届きました」


「どうやって届いたんだ?」


「スケルトンの集団が手紙をもって王国の門に来ました。特に手を出してくる様子はなかったようで、手紙だけ渡すとその場で待機し始めました。おそらく大河様と文香様の返答の手紙を待つためかと」


「わかった。手紙を見せてくれ」



 手紙は日本語で書かれていた。

 内容は簡潔だ。一週間以内に、会談を開きたいとうことだった。

 時間と場所の指定はこちら側でしてもらって構わないそうだ。カインズにはこちらの国に近づかずに話す手段があるから、王国内での対談も可能だという。手紙の最後にはカインズのものと思えるサインが書いてあった。


 文香と相談し、トルキン公国との問題に本格的に入る前にカインズと話をつけたいという結論に至った。俺は手紙に2日後に嘘松城で話をしようという趣旨の手紙を書き、国の入り口である門まで直接いくことにした。


 門の外には30のスケルトンが礼儀正しく整列をしていた。その中の一人が俺に気が付くと一礼をし、手紙を受け取ると号令をかけるジェスチャーをした。

 スケルトンたちは綺麗な列を作って、そのまま西の方向に向かっていった。



 それから2日がたった。いつもの部屋で俺と文香は待っていると、楓からカインズの使者が来たという報告があり、俺はその使者が部屋まで入ることを許可した。


 1時間後、部屋がノックされる。俺が許可をだすとドアが開く。

 楓に続いて5人の人間が部屋に入ってきた。先頭に立つ女は他の者とは違う服装をしている。黒を基調とした服装。顔は驚くほどの美形でこれがヘルヘイム帝国の幹部であることがわかる。後に続く4人は皆同じような服装をしている。宗教的な感じのする怪しい服は、白色の生地に薄紫色の線が入った怪しい柄で、4人ともフードを深くかぶっているため目元は見えない。


「はじめまして、大河殿、文香殿。私はオーラ・ベラ・フィアールと申します。カインズ様に使者として選ばれました。この4人はただの国民です。今、カインズ様をお呼びしたいと思います」


 オーラがそう言ったあと、4人の中の一人がおもむろに短剣を取り出す。恍惚の表情を浮かべ、男は叫んだ


「カインズ様、万歳!」


 そういって短剣を自分の胸に突き刺す。赤い血が白色の服に滲んでいく。オーラは男が倒れないように腕で支えている。信者の呼吸が止まり、死が訪れた。すると次の瞬間、男は起き上がる。


「私がカインズ・ジョージ・オーウェルだ。よろしく」


 男の声を聞き、オーラと3人は膝をつく。


「やめろ。ここは嘘松王国だ。国王を前にして私への礼儀を優先するんじゃない」


 4人はカインズの言葉を聞いて顔をあげ、立ち上がる。


「はじめまして。4代目嘘松王国天狐の川霧大河と申します」


「同じく、4代目天狐の川霧文香です」


 どうぞ、といって俺はカインズを用意した椅子に座らせる。


 カインズとの対話が始まった。

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