VS 十六夜天狐ー3
ブクマ増えてて嬉しいので、今日はあと2話投稿しようと思います!
文香に起こされて目覚める。
アンリミテッドノートブックスを開いて、死亡した回数を書き込む。
正 正 T 。今日は12回目の朝だ。
朝食を食べ、文香と作戦会議に入る。
「十六夜は五尾なんかではなかった。あいつは九尾だ」
俺は見てきたことを文香に伝える。
「でも、どうして分裂なんてしていたのかしら?」
「わからない。楓さんたちが何か知っているかもしれない」
俺は別の部屋にいる楓さんにあの現象について質問をする。
楓さんは俺の話を聞くと驚いた表情を浮かべた。
「それは、いや、そんなことが」
「何か知っているんですか?」
「はい......。でもそんなことがあるけありません」
「話してもらえますか?」
少し雑に話をしてしまっている。余裕がない証拠だ。
どうせ死んだらこの話も楓さんの記憶から消えるからいいじゃなか、そんな悪い思考が俺の頭には浮かんでいた。
楓さんは俺の心境を察し素直に答えてくれる。
「そうですね。恐らくそれは【宵山万華鏡】です。母のギフトでした」
「2代目天狐のギフトだったんですか?」
「はい。現在そのギフトは紅葉だけのものです。私には父の【拍手喝采】が遺伝しましたから」
「少し、俺たちの会議に加わってください」
俺は楓さんを呼び、文香のいる部屋に戻ってくる。
文香に、楓さんからされた話をする。そして文香は俺と同じ考えを導き出す。
「十六夜天狐のギフトはコピー能力なのかしら」
「俺もそう思う。だがもしそれが本当なら、俺たちはそれがどこまでのものか知らなければならない。最悪の場合、俺は奴を殺せないということになる」
もし彼女のギフトが万能のものであるなら、十六夜天狐は【運命を転がす女神の右手】すらコピーし、戦いは終わらなくなる。
対策に対策がされ、それにも対策がされ......と無限に戦いが続く。その戦いはどちらかが諦めるまで終わらない。それは将棋で言う千日手のようなものだろう。
「死に戻るギフトを奪って再戦か......フッ......まるで将棋だな」
文香が唖然とした表情を浮かべる。
「あなた、何をいってるのかしら?突発的に変な発言なんてして。けれど、この感じも懐かしいわね。私の思考の何歩先のことを言って私を困らせる、あなたの悪い癖」
「あぁ、ごめん。いや、でも今の発言は確かに不自然な発言だった。自分でもなんでいったのかわからない」
明らかに疲れが隠せていない。切り替えよう。
「楓さん、そのギフトについて詳しく説明してくれませんか?」
楓さんは説明を始める。内容はこうだ。
宵山万華鏡。尻尾の数に応じて自分の分身をつくることができるギフト。
作れる分身の尻尾は残る尻尾の数の半数未満でなくてはならない。つまり、紅葉が使っても生み出せるのは一本の尻尾をもつ妖狐2体のみ。
分裂体は初め、尻尾の分の魔力しかもたない。つまり四尾が分裂体を作った場合、その分裂体は本体の4分の1の魔力を持って生まれる。
だが、その魔力も時間が経てば回復する。元々の本体と同じ魔力量までは魔力は溜まる。
そして、分裂体を本体に戻した際、分裂体がもっていた分の魔力を本体は回復できる。その際、本体の容量を超える分の魔力は光として放出される。
簡単に言えば、自分の魔力タンクを作ることができる魔法ということだ。しかし、魔力回復は【拍手喝采】を除き、時間経過でしかできないため、戦闘中に魔力を無限に回復するといった手法はとれない。
分裂体には尻尾の数に応じて、自身の持つスキルを与えることができる。そのスキルは本体がスキルを変えても保持できる。
つまり、日をまたぐことで、転生者でないものでも3以上のスキルをセットし、戦闘で使うことも可能になるわけだ。
「強いギフトだな。だけど今の説明で十六夜天狐のギフトが少しわかった。奴は他人のギフトをスキル欄に保持できる。そして奴が今までの戦闘で使ったスキルは4つだ。『A Study in Scarlet』、『Plausible Story』、『拍手喝采』、『宵山万華鏡』。残り一つのスキルがわかれば、勝てる」
「あなた少し待って。その考えは最低の場合を想定できていないと思うの。『Plausible Story』、『拍手喝采』は分裂体に使わせてからコピーしたという可能性も考えられる。もし十六夜天狐のギフトがスキル欄の上書きができるものであるのなら、『A Study in Scarlet』、『Plausible Story』、『拍手喝采』は一つのスキル欄を消費するだけで使うこともできるわ」
「そうか。その可能性も考えられるな」
十六夜は俺たちの発動の有無にかかわらず、最初に『A Study in Scarlet』を使用する。
その後、そのスキル欄に嘘松王国の二つのギフトをコピーし、使用している。
強力なスキルである『A Study in Scarlet』を躊躇なく戦闘の初めに使うのは文香の言った通りの理由からなのかもしれない。
これまでの情報を整理して、前回の天狐たちの行動を解釈していく。
俺が距離を縮めたとき、十六夜は二手にわかれた。その時に分裂体の『拍手喝采』を使ったほうが、『Plausible Story』のほうを吸収し、四尾になった。
それから俺と十六夜が戦っている間に『拍手喝采』を使用し、魔力をためていく。魔力がたまったあと天狐は分裂体を吸収し、魔力を全回復させているということか。
「実は、俺は今までの戦いで『檸檬』を一度も使っていない。そして文香もだ。宵山万華鏡を使わせる前に分裂体を仕留めることができれば、戦況は変わるかもしれない」
また実験と失敗の繰り返しが始まる。
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