VS 十六夜天狐ー2
今日は3話更新しますね。
文香に起こされて俺は目覚める。
「おはよう文香」
「もう行ってきたのね。今回は何回目なの?」
「これが2回目の朝だ」
そういいながら、俺はアンリミテッドノートブックスを開く。
そして、ページにTの字を書く。それから別のページを開いて、今回の死因を書いていく。また別のページを開き、今回の疑問点を書く。
1回目とは違う朝食を済まして文香と相談を始める。どんな感じだったかというのは簡潔に述べ、特に気になった点を話す。
「一番驚いたことは十六夜も『A Study in Scarlet』を使用してきたことだ。今回は何故それを使ってきたかを知りたい。俺たちが使ったから使ったのか、それともただ周囲の確認をしたかっただけなのか」
その後、文香と軽く戦略を確認する。まず第一目標はあの2回目の弾幕攻撃を防ぎきること。
戦略といっても作戦もクソもない。あの弾幕攻撃は当初の予定通り【運命を転がす女神の右手】を利用し、疑似的な未来視をして、切り抜けられるものだ。
その際、『The Great Gatsby』と『A Study in Scarlet』を毎回惜しみなく使うことで、効率がよくなるだろう。
余った時間は読書をして過ごした。予定していた時刻になり俺と文香は再び楓さんの家を出た。
***
11回目の挑戦。
大河は最初の挑戦で殺されて以降一度も切り抜けることができなかった【Plausible Story】後の2回目の弾幕攻撃を殆ど見切ることができるようになっていた。
この時点になると大河には魔導銃を使って、魔法を打ち消すという選択も生まれた。
文香と大河の魔法を合わせると、ちょうど相手の魔法を打ち消すことができる。
体からより遠くで魔法を打ち消すことができれば当然視界も晴れる。
「次は.....アイス、アイス、ボルト、左脚のフレイムは体さばきで回避。右上にボルト、そして目の前でレリギアス・マジックシールド・フレイムを発動」
最後の攻撃はマジックシールドを使うことで完全に防ぎきることができた。
「よし」
大河は11回目にして遂に魔法による弾幕を切り抜けることができた。しかし、既に大河の『The Great Gatsby』と『A Study in Scarlet』は使用されている。
ここで一度死に戻りをすることもできるが、と大河は思考する。
「いや。できるところまで進めてみたい。まずは相手の状況を確認する。文香、使用してくれ」
「『A Study in Scarlet』」
文香の瞳が緋色に輝く。
「相手はかなり動揺した表情を浮かべているわ。いま、十六夜と従者の一人が【拍手喝采】を使用した。噂は本当みたいね」
天狐は妖狐特有のギフト二つを使うことができる。
「チャンスだ攻める」
【拍手喝采】の使用は10秒間かかる。大河は天狐に向かって走り出し、魔導銃を放つ。それを見て、今まで何もしていなかった手が空いている方の側近が魔法を発動し、銃弾を防いだ。
大河の身体が軽くなり、走るスピードが上がった。
文香が光魔法 《ビルドアップ》を使用したのだ。
いっきに大河と天狐の距離が近くなる。残り30m。すると突如目の前に土の壁が現れる。
《ジオ・デュラムマジック・ナチュラルディザスター》
土属性最高位の魔法を天狐の従者が使用した。
大河は壁に向かって、レリギアスフレイムを放つ。後方から、文香の放ったレリギアスフレイムも飛んできて、壁は破壊される。
破壊された部分から3発の魔法が出てきた。とっさの出来事に大河は反応しきれず、ダメージを負う。
しかし、魔法が強化されているとはいえ、大河の体力も高い。3発程度なら致命傷にはならない。
「プランC!」
天狐が声をあげる。
天狐は大河から見て右後方、従者二人は左後方にそれぞれ飛ぶ。
大河の狙いは天狐だ。他の二人には目もくれない。
「いける」
魔法使いは接近戦が弱い。この距離は大河の領域だ。
大河は天狐に向かいナイフを突き刺す。しかし、そのナイフは天狐の身体に当たる直前に、天狐の尻尾によってガードされてしまう。
天狐の3本の尻尾がそれぞれ大河に向かって伸ばされる。大河は体術でそれをさばく。しかし、残りの2本の尻尾が大河に向けて魔法を放つ。
近距離での魔法。回避はできない。だが、魔法は大河の前で消える。文香の援護が間に合い、大河の目の前にはマジックシールドが展開されていた。
「っ!」
魔法で一度距離をとろうと思っていた天狐の反応が少し遅れる。大河の斬撃が天狐の腕にヒットする。
バン!
攻撃を受け、下がった天狐にすかさず魔導銃が撃ち込まれる。弾は身体にあたると消えて消滅したが、これは天狐にとっても無視できないダメージだ。
天狐は一瞬顔を歪めると、すぐに右側へ飛ぶ。仲間の元に向かったのだ。しかし向かった先には一人の従者しかいない。
「もう一人はどこだ?」
大河は周りを素早く見渡すが気配はない。
従者の元にたどりついた天狐は余裕のある笑顔を浮かべる。
「貴様は強い。だが、私の勝ちだ」
そして、側近の一人の背後に立ち、背中に手を当てる。
「『宵山万華鏡』」
天狐の側近は光り輝きながら消えていく。それと同時に天狐から4本の尻尾が生えてくる。
「吸収したのか?」
大河が天狐に尋ねる。
「それは違う。元々私の分身だった」
天狐の9本の尻尾がゆらゆらと揺れる。
そして、尻尾は大河の方を向き、一斉に魔法を放つ。
ズドン!ズドン!
激しい衝撃が大河を襲う。もうスキルは残っていない。
至近距離の魔法攻撃を避けるすべは大河にはない。
・・・・・・。
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ボス戦後は伏線回収をします!! 乞うご期待!




