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カゲロウ

新作の投稿はじめました! よろしければこちらもお願いします!


『IQ250の天才詐欺師が、異世界転生者から【最強の武器と能力】を奪い取り、家族の復讐を果たすために、世界の全てを欺く物語』


https://ncode.syosetu.com/n9099fr/  (8/18追記)















ついに後編です。あと10話程度で4章が終わります。十六夜天狐戦以上のベストバウトが控えています。

主人公の飛翔を楽しみにしていてください!










 

 ――旧ザルバド王国――


「ほう、手を組んで俺を潰しに来たのか」

 第一王子アインツが言う。その身体は逞しい筋肉で隆起しており、鱗の色は赤茶色をしている。


「すまないな兄さん、あなたにはここで死んでもらわなければならない」

 第二王子ツワイが言った。余裕の表情を浮かべ、自らの鱗と同じ色の翡翠の剣を握っている。


「どうしてアハトと同じ目が発現したのかは気になるが、それは死んでから聞かせてもらおう」

 第三王子ドライが言った。鱗の色は紫。彼はネクロマンサーだ。


「兄さんが死んだら、王位の座は僕たちで分配させてもらうよ」

 第四王子フィーア言った。皮膚はライトグリーンの色をしている。顔には眼鏡がかけてある。



「なあ、お前たち今なら許してやってもいい。ここで俺に謝罪をし、一生俺に服従すると誓えば命だけは保証しよう」

 アインツが双剣を構える。


 煉獄。伝説の七本のうちの一つ。灼熱のマグマより作られたと言われるそれは、見るだけで熱気が伝わってくるようだった。


「脅しか? それは意味のないことだな。3対1の状況。いくらあなたにその武器があったとしても勝てるわけがない」

 ツワイが長剣を構える。


「早く兄さんの死体を見てみたいよ」

 ドライは杖を構えた。


「残念だよ兄さん。僕たちが負ける可能性は0%だ」

 フィーアが弓を構えた。



 アインツは素早く、左に回避する。

 ヒュッ。

 アインツのいた場所に4本の矢が刺さる。ツワイが死霊術で操っていた2人のエルフが矢を放ったのだった。

「不意打ちなんて全てお見通しなんだよ。この緋の目の前ではな!」

 アインツは3体のリザードマンに距離を詰める。


 フィーアがアインツに3本の矢を同時に放つが、アインツはそれを煉獄で切り落とす。


「《アズ・アイジス》」

 近距離でツワイが魔法を放つも、アインツはそれを回避する。



「うおおおお!」

 ツワイが剣を振り下ろす。


 アインツは双剣でそれを受け止める。

 ドロリ。

 ツワイの剣が煉獄の熱で溶かされる。


「なっ!」


 ブシャ!


 驚く暇もなく、アインツの剣はツワイの首を跳ね飛ばした。


「ひぃ!」

 残された2人はアインツに攻撃を放つが、全て躱される。そして瞬く間に、2人もアインツによって葬られた。


「手間が省けてよかった」


 じゅわー。煉獄に染みついた血は音を立てて蒸発していった。




 *** 



 山田陽炎。鈴木ペンドラゴンや望月望と同じβグループとして転生した彼は『神』を自称していた。フードを深く被ったまま与えられたギフトを使って異世界の人々を騙しては信者を増やしていた。

 彼の前世での死因は自殺であった。

 前世のネットの世界でカルト的熱狂を誇ったコンテンツがあった。フードを被った中高生の秘密組織が目を使った能力で暗躍するという物語だった。

 その話に取り憑かれた彼は、キャラクターが作中で死んだのと同じ日に、同じ格好で、同じ死に方をした。そして悪意ある存在の手により異世界に転生した。


 転生時、彼は最強の眼が欲しいと求めた。結果として、彼には最強の能力【春琴抄ブラインド・ラヴ】が与えられた。新たに与えられた彼の能力は彼に全能感を抱かせた。最初に転生した村ですぐに欲望の限りを尽くすと、大きな都市へと繰り出ていった。

 しかし、彼の向かった先には既に支配者が存在していた。その名はカインズ・ジョージ・オーウェル。カゲロウのことを直ぐに転生者だと見抜いたカインズは、彼を返り討ちにした。所詮カゲロウは井の中の蛙でしかなかったのである。

 死の間際、彼はカインズを羨んだ。自分よりも絶対的な力をもち、欲しいものを全て持っていたカインズを殺したかった。その感情により奇跡が呼び起こされた。彼の心の闇に反応して、嫉妬の蛇が現れた。嫉妬の蛇は彼の身体を蝕み、力を与えた。


 新たな力を手にしたカゲロウはヘルヘイム帝国から逃げ出した。煉獄を持ち出してカインズに一矢報いた。

 逃げた先で、身体の急激な変化に対応すべく、数年の間身を隠すことにした。隠遁生活のなかで、彼は人々の嫉妬を食らい、成長した。その過程で『神』を名乗るようになり、教団を立ち上げた。教団では絶対神となってはいけなかった。カインズのような絶対的な存在となるのではなく、人でありながら神の力を持つことで、信者からは羨望されなければならなかった。

 嫉妬を糧に彼の教団は巨大になっていった。嫉妬の蛇は大きく肥えていった。


 信者の一人にアインツがいた。アインツは第八王子アハトの緋の目に激しい嫉妬を抱いていた。

 その嫉妬に付け込んで、カゲロウはアインツに力を与えた。嫉妬をエネルギーに変える器官を授け、煉獄を与えた。それらを用いて、アハトを決戦の末、殺害したアインツの願いを叶えた。


 アハトの天然の緋の目は、カゲロウのギフトにより、アインツへと移植された。

 こうしてアインツはギフト【A Study(シャーロック) in() Scarlet(ホームズ)】を手に入れたのだった。





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