find out
ついに第5話です
さ読んでない人先に第1話から読んで頂ければもっとたのしめると思います
ふと気づくと神殿に立っていた。俺は死んだのか? いつだ?
こんな風に死んだことにも気付かず死んだのは初めてだった。俺は二人に俺の死因を聞こうとした。
「えーっとつまりクロノスはテミスと話していたせいで俺が何に殺されたのか見れなかったわけか」
「すまんのお」「すみませんお兄様」
クロノスは申し訳なさそうに謝ってきた。テミスは…… うん彼女も一応申し訳ないとは思ってるのだろう。
「とにかく俺は万事上手くいってたんだだが、扉を開けた瞬間意識が途絶えたんだ」
「うーむ和馬よ、何か手がかりはないのか」
クロノスが聞いてくる。当然そんなものは無い。死んだのは本当に一瞬だった。ドアを開けた瞬間、その刹那に俺は死んだのだ。
「なるほど、それならもう1度行ってみるのはどうじゃ、そして同じ死に方をする。今度は余も死ぬ瞬間を見ているしお主もしっかりと目に焼き付けておけば良い」
クロノスは言った。それはそうなんだが……
「死ぬために生き返るっていうのもなんか違うと思うんだよな、それに死ぬ時はやっぱり痛いし」
俺はどうしても乗り気にはならなかった。
「確かにお主はこれから死ぬが、その死は生き残るための死じゃ。無駄な死ではなく前に向かうためのものなのじゃ」
クロノスがそう言ったその時
「私も手伝いましょうか? お兄様」
テミスだ。彼女も協力してくれると言うのか?
「でも君の立場的には」
「いえ何も問題ありません。私は絶対にルールを破ることはしない、しかしそれ以外のことなら何でもお兄様の仰せのままに」
「は!?」
どうしてこうなったんだ。テミスはそんなキャラだったっけ? まだ出会ってから少ししか経ってないけど……
「うーむテミスは昔からこうなのじゃ。何でもルールを中心に考えてしまう、ゆえにルールが絡まない時になると何も判断出来なくなってしまい人に委ねようとする。ルールに関しては鉄の女じゃがルールに絡まないところでは…… うむ残念な女じゃ」
そうだったのか…… そうだったのか?
「残念な女などと私を中傷するような言動はやめてください。いい加減私も怒りますよ」
「おう怒れるならやってみよ、その怒りも自分の意思なきお主には紛い物じゃ」
クロノスとテミスは言い争いを始めた。
「ストップストップストーップ。分かったから戦は辞めて。クロノス、ほら彼女がせっかく協力してくれるんだからそんな事言わないで…… 俺も覚悟を決めた。行くぜ、そして俺を殺した犯人を暴く。だが俺はあくまで生き残るためにやるんだ、今回は捨て回じゃない。生き延びてみせるぜ」
「そうかお主、余の提案に乗るというか」
クロノスは落ち着きを取り戻そうとしていた。
「そうだ、そうだから落ち着けよ」
テミスの方はこちら見て言った。
「ありがとうございますお兄様。お兄様がルールを侵さないように私もしかと見守っております。ルール違反をしたらすぐ迎えにいくので」
迎えにいく(殺人)。いや個人的にはそんなしっかり見守らないで欲しいんだけどね。
まあいいや覚悟は決めたんだ。
台座に立つ。目を閉じ、暗闇に投げ出される。すると目覚まし時計の音が聞こえてきた。
そこから俺は卒なく課題をこなしていった。途中一回また水で滑って死んでしまい何回同じことをするんだとクロノスにどやされたけどやっとここまで来れた。
俺は今玄関の前に立っている。一応準備はしてきた。左手には防犯スプレー、そして後ろには竹刀がありいつでも拾えるようにした。
俺はゆっくりドアを開けた。そこに居たのは
蜂だった。
蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂 蜂
辺り一面に蜂が飛んでいた。
思わず俺は防犯スプレーを落としてしまう。そして急いでドアを閉めた。
「クソッたれ」
かなり多くの蜂の侵入を許してしまった。俺は後ろにはねのいて竹刀を拾う。ここは逃げるべきか……
「駄目だ」
逃げたら確実に逃げた先にいる家族も殺られる。リビングには親、二階には妹がいるのだ。おそらくこいつらの目当ては俺、せめてこいつらは俺がここで引き受けるしかない!!
俺は蜂に竹刀を振り回して突っ込んだ。何体かは叩き落とされるがやはり多勢に無勢、勝てっこない。俺は死を覚悟し家族に聞こえるように大声でドアを閉めろと叫んだ。全身に蜂が集る。
「やるなら一思いにやれ」
俺は全身数十箇所を蜂に刺され死亡した。
死にゲー的人生論
第1章 自宅からの脱出
死亡回数 現在9回